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年金の知識


公的年金制度の改正について

平成16年の年金制度改正の内容が順次実施されています。

1.保険料水準固定方式の導入(平成16年10月実施)

高齢社会を迎え、現役世代の保険料負担はますます大きくなっていきます。その過大な負担を避けるために、上昇する保険料水準に上限値を定めて固定化します。そして年金給付の水準は、年金を支える社会全体の所得や賃金の変動に応じて、自動的に調整が行われます。この仕組みが保険料水準固定方式です。

2.厚生年金保険料の引上げ(平成16年10月実施)

サラリーマンの厚生年金保険料は、月給(標準報酬月額)や賞与(標準賞与額)に、保険料率をかけて算出します。それを本人と会社が折半負担しています。平成19年9月現在の保険料率は、14.996%です。少子高齢化が進むなか、保険料率が段階的に上昇していきます。
平成16年(2004年)10月から、毎年0.354%(本人:0.177%、事業主:0.177%)
ずつ(平成29年9月のみ0.118%)引上げられ、平成29年(2017年)以降は、18.30%で固定されます。
 
※平均的な会社員(月給36.0万円(賞与は年2回、合計で月給3.6ヵ月分))の場合、毎年、保険料率の引上げにより、約月650円(賞与1回につき1、150円程度)保険料負担(本人分)が増加します。
 
3. 国民年金の保険料引き上げ(平成17年4月実施)

自営業者等は「第1号被保険者」として国民年金に加入して、毎月定額の国民年金保険料を払っています。これが毎年4月に、280円ずつ(平成29年度のみ240円)引上げられ、平成29年度以降は16,900円となります。この保険料水準も厚生年金の保険料率と同じように固定されます,
 
※平成17(2005)年度以降の実際の保険料は、上記で定まった額に平成16年度以降の物価・黄金の伸び率を乗じた額です。(平成19年度の伸び率は、0.997)

5.マクロ経済スライドの導入(平成16年10月実施)

年金額は、年金加入期間、平均給与額、生年月日による一定の係数をもとに計算します。その金額は、物価の変効率や賃金水準の伸びに応じて改定してきました。これは物価や賃金水準に対して、年金額の実質的な価値を維持するために行うもので、スライド制と呼ばれています。このスライド制の考え方が今回の改正で大きく変わり、「現役世代の負担と年金給付のバランスを取れる仕組み」が導入されることになりました。この新しい仕組みを「マクロ経済スライド」といいます。年金を支える年金加入者の減少率と平均余命の延びを勘案した一定率をスライド調整率として、年金額の改定に反映させます。これにより、年金額の伸びは物価等の伸びよりも抑えられることになります。「年金を初めてもらう入」と「年金を既にもらっている人」では仕組みが異なります。スライド調整率は、平成3((2025)年度までは、平均して年0.9%程度と見込まれています。今までは物価(賃金)の伸びが年金の改定率となって反映されていたわけですが、マクロ経済スライドの導入によって、スライド調整率を差し引いた年金改定率が、年金額の伸びとして反映される率となります。物価や賃金の上昇率が0.9%を超える場合や超えない場合、そして下落する場合では年金への反映方法に違いがあります。物価や賃金がある程度上昇した場合、物価(賃金)の伸び率からスライド調整率0.9%を引いた率が年金の伸び率となります。ところが物価や賃金の上昇がわずかな場合で、物価(賃金)の伸び率からスライド調整率0.9%を引いた率がマイナスのときは、年金額が据え置きとなります。つまり年金額が減額されることはありません。物価や賃金がマイナスとなった場合は、そのマイナス率を年金額に反映します。物価や賃金のマイナス率にスライド調整率を加算した率を年金額の改定に反映させることはありません。どれに該当するかは、これからの物価等の変動率しだいです。いずれにしても今回の改正で、物価等に対する年金の実質的価値を維持するという考え方がなくなり、実質的な年金額は目減りすることになります。なお、平成12〜14年度に物価が1.7%下落した際に、特例措置により年金額が据え置かれました。今後、物価が上昇しても累積で1.7%に達するまでは年金額は増えません。マクロ経済スライドによる調整も、特例措置の分が精算された後のことになります。

6.その他改正内容

6−1.在職老齢年金の見直し
・60歳台前半の制度の改善(平成17年4月実施)
・在識者が受け取る年金額について、一律2割の削減が廃止されるなど計算方法が変わります、
・70歳以降の厚生年金の給付調整(平成19年4月実施)
・70歳以降の在職者も、60歳台後半と同様の仕組みで年金額が調整されるようになります。
6−2.65歳以降の老齢厚生年金の繰下げ制度の導入(平成19年4月実施)
6−3.離婚時の厚生年金の分(平成19年4月実施)
・離婚した場合、婚姻期間中の厚生年金保険料の納付記録を夫婦で分割できるようになります、
6−4.第3号被保険者期間の厚生年金の分割(平成20年4月実施)
・離婚した場合、平成20年4月以降の期間について、厚生年金保険料の納付記録の2分の1の額が、妻に分割されるようになります。
6−5.遺族年金制度の見直し
・高齢期の遺族年金の見直し(平成19年4月実施)
・妻の保険料の納付実績が年金額に反映されるよう、65歳以上の妻は、自分の老齢厚生年金を優先的に受給したうえで、現行の遺族厚生年金との差額を、遺族厚生年金として受け取ります。
・若齢期の妻に対する遺族年金の見直し(平成19年4月実施)子供のいない30歳未満の妻が遺族になった場合、遺族厚生年金は5年間の有期年金になります。また、中高齢寡婦加算の受給要件は、夫死亡時の妻の年齢要件が40歳以上などとなります。6−6.次世代育成支援の拡充(平成17年4月実施)
・育児休業中の厚生年金保険料が免除される期間は、子供が3歳になるまでに延びるなど、支援策が拡充されます。
6−7.若年者に対する納付猶予制度の創設(平成17年4月実施)
6−8.障害年金の改善(平成18年4月実施)
6−9.多段階免除制度の導入(平成18年7月実施)
6−10.年金個人情報の定期的な通知(平成20年4月実施)
・年金加入者に対して、保険料納付実績や年金額の見込みなど、年金に関する個人情報の定期的な通知(ねんきん定期便の送付)が行われます。毎年の保険料納付の実績が、基礎年金と厚生年金それぞれについてポイント化されて表示されます。なお、年金記録もれ問題に関連して全加入者に通知が届くことから、定期的な通知の本格実施は平成21年4月からになる予定です。
 

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