Q1 厚生年金の手続き方法
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
公的年金は、ご自身で請求しなければ受け取れません。
退職時に厚生年金に加入していた場合、手続きは勤務先を管轄する社
会保険事務所で行います。
具体的には、年金手帳、戸籍謄本、配偶者の源泉徴収票または非課税証明書等を
裁定請求書とともに提出します。
その後2〜3ヵ月経つと、裁定通知書と年金証書が郵送されます。
年金は60歳の誕生月の翌月分(誕生日が1日の人は当月分)から支給されます。
毎回、偶数月の15日に、前2ヵ月分の年金が支給されます。
60歳を過ぎて受給権があるのに請求し忘れた場合、
5年間は遡って年金を受け取ることができます。
請求もれに気づいたら、すぐに裁定請求の手続きをとってください。
なお、年金加入記録の訂正による年金の増額分は、5年間の時効の適用はありません。
Q2 公的年金の年金額の5%削減と従前額保障について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
年金水準の引下げの5%削減とは、老齢厚生年金の水準を95%相当にすることです。
しかし現実に支給される年金額が5%削減されるということではなく、
年金額の将来への伸びを5%抑制するという意味です。
老齢厚生年金の計算項目には、生年月日によって定まる乗率がありますが、
この乗率1000分の7.5を、1000分の7.125とすることで、削減が行われます。
ただし、実際の年金支給額が下がらないようにするために、新しい計算による年金額が、
今までの物価スライドを含む計算と比較して低い場合は、
今までの式による年金を支給します。
これを従前額保障といいます。
Q3 物価スライドについて
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
物価の変動に合わせて、年金額を見直す仕組みを物価スライド制といいます。
国民年金や厚生年金は、年平均の消費者物価指数の変動に合わせて、
毎年見直しを行っています。
消費者物価指数は、ここ数年連続して下落していましたが、
平成12〜14年度の年金額は特例措置によって合計1.7%に相当する分が減額改定されず、
据え置かれていました。
平成18年の年平均の物価指数は0.3%上昇しましたが、上記の1.7%の差額が
解消されるまでは増額改定されず、
平成19年度のスライド率は平成18年度と同じ0.985となります。
Q4 老齢基礎年金の繰上げ支給について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
老齢基礎年金は、原則として65歳から支給されますが、
請求すれば、繰上げ支給の老齢基礎年金を、60〜65歳になるまでの間に
受け始めることができます。
ただし、減額率があり、一度決められた減額率は、一生変更することができません。
●昭和16年4月2日以降生まれの人
月単位の詰求時の年齢に応じて、減額率が計算されます。
減額率 = 0.5% × 繰上げ請求月から65歳になる月の前月までの月数
請求時の年齢:60歳0力月〜60歳11ヵ月 → 減額率:30%〜24.5%
請求時の年齢:61歳0力月〜61歳11ヵ月 → 減額率:24%〜18.5%
請求時の年齢:62歳0力月〜62歳11ヵ月 → 減額率:18%〜12.5%
請求時の年齢:63歳0力月〜63歳11ヵ月 → 減額率:12%〜6.5%
請求時の年齢:64歳0力月〜64歳11ヵ月 → 減額率:6%〜0.5%
Q5 厚生年金加入者の老齢基礎年金の繰上げ支給について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
厚生年金加入者の場合、
繰上げ支給には老齢基礎年金の全部繰上げと一部繰上げがあります。
全部繰上げは60歳台前半に請求できるもので、老齢基礎年金が減額されます。
昭和16年4月2日〜24年4月1日(女性は16年4月2日〜29年4月1日)生まれの場合、
特別支給の老齢厚生年金のうち定額部分(経過的加算部分を除く)が
全額支給停止になります。
一部繰上げの対象になるのは、
昭和16年4月2日〜24年4月1日生まれ(女性は5年遅れ)の人です。
60歳以降、定額部分の支給開始年齢になる前に、一部繰上げを請求できます。
例えば、定額部分が64歳から1年間支給される人の場合、
60歳で一部繰上げをすると、定額部分の年金額は5分の1に調整されます。
(1年の支給期間が5年に仲びるので、支給総額は繰上げない場合と基本的に同じです)
また、調整された定額部分とあわせて、老齢基礎年金の一部が、繰上げ支給になります。
なお、報酬比例部分は60歳から、加給年金は64歳から本来どおり支給され、
さらに65歳からは老齢基礎年金の繰上げ対象外の部分と経過的加算も支給されます。
一部繰上げは、厚生年金の加入期間が比較的長い人に向いています。
一部繰上げを選択できる人は、全部繰上げとどちらが適しているか考える必要があります。
Q6 老齢基礎年金の繰下げ支給について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
繰上げ支給とは反対に、66歳になるまで老齢基礎年金を請求しなかった人が、
66歳以降に申し出をすれば、増額された繰下げ支給の老齢基礎年金が支給されます。
また、繰上げ支給と同様に一度決められた加算率は、一生変更することができません。
●昭和16年4月2日以降生まれの人
月単位の申し出時の年齢に応じて、加算率が計算されます。
加算率 = 0.7% × 65歳になった月から申し出月の前月までの月数
申し出時の年齢:66歳0力月〜66歳11ヵ月 → 加算率:8.4%〜16.1%
申し出時の年齢:67歳0力月〜67歳11ヵ月 → 加算率: 16.8%〜24.5%
申し出時の年齢:68歳0力月〜68歳11ヵ月 → 加算率: 25.2%〜32.9%
申し出時の年齢:69歳0力月〜69歳11ヵ月 → 加算率: 33.6%〜41.3%
申し出時の年齢:70歳0力月〜 → 加算率:42.0%
Q7 老齢厚生年金の繰下げ支給について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
平成19年4月から、65歳からの老齢厚生年金を繰下げて受け取れるようになりました。
平成19年4月以降に、老齢厚生年金の受給権を得た人が対象で、
66歳になる前に老齢厚生年金を請求しなかった人が、66歳以降に申し出をすれば、
加算率によって増額された繰下げ支給の老齢厚生年金を受け取れます。
加算率は、繰下げ支給の老齢基礎年金の加算率と同じです。
なお、60歳台前半の部分年金や特別支給の老齢厚生年金は繰下げの対象外です。
Q8 障害年金はどのような年金ですか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
病気やけがで障害状態になったときに支給される年金で、
国民年金では障害基礎年金、厚生年金では障害厚生年金といいます。
障害状態が障害基礎年金では1級か2級にあること、
障害厚生年金では1級〜3級にあること、
保険料納付要件を満たすことが、一般的な支給要件です。
障害認定日は、病気やけがにより病院で診察を受けた初診日から1年6ヵ月経った日か、
その前に治ゆすれば、治ゆ日です。
支給される年金額は、等級などで異なります。
障害基礎年金の1級は990、100円、
2級は792、100円で、子供の人数に応じた加算があります。
2級と3級の障害厚生年金の年金額は、老齢厚生年金の報酬比例部分が基準で、
1級の年金額はその1.25倍です。
障害認定当時までで計算する被保険者期間が短いと、300月で計算する仕組みです。
1級と2級には障害基礎年金が併せて支給されるのに加え、
配偶者加給年金の加算もあります。
一方、3級は障害厚生年金単独での支給ですので、
年金額が低額にならないよう594、200円の最低保障があります。
なお、障害年金を受給しながら厚生年金に加入する人には、
国民年金のような保険料免除がなく、
保険料の支払い実績は将来の老齢厚生年金額に反映します。
平成18年4月からは障害を持ちながら働いた実績が年金に結びつくよう、
従来不可能だった「障害基礎年金+老齢厚生年金」、「障害基礎年金+遺族厚生年金」
などの組み合わせ受給が、65歳以降はできるようになりました。
Q9 総報酬制導入後、加入期間の短い人が亡くなった場合の遺族厚生年金の計算
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
遺族厚生年金は、老齢厚生年金の4分の3相当額であり、
平均標準報酬月額と加入期間に比例します。
ところが加入期間が短いと年金額が少なくなってしまうので、
300月に満たない場合は、300月で計算されます。
これを短期要件の年金額といいます。
平成15年4月から、総報酬制が導入されたことによって、老齢厚生年金の計算式が
変わりましたが、この短期要件の遺族厚生年金の式も変わりました。
まず、総報酬制の導入前と後の実月数で、それぞれの年金額を計算します。
その両方の金額を合算したものに「300÷全実加入月数」と「スライド率」を
乗じた額の 4分の3 が、短期要件の年金額となります。
遺族厚生年金額 = (総報酬制導入前の期間分 + 総報酬制導入後の期間分) × (300 ÷ 全実加入月数)× 1.031 × 0.985 ×(3 ÷ 4)
Q10 65歳以降の妻が選択できる遺族厚生年金について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1人のひとが、老齢年金と遺族年金の2つの受給権を得たときは、
どちらかを選択するのが原則す。
しかし特例として、妻が自らの老齢基礎年金と、夫の遺族厚生年金を
組み合わせて受け取ることができます。
女性が厚生年金に加入していた場合に、65歳以降のことを考えてみると、
その女性は自らの老齢厚生年金と、夫の遺族厚生年金の受給権が発生します。
したがって、
「自らの老齢基礎年金+自らの老齢厚生年金」(A)と
「自らの老齢基礎年金+遺族厚生年金」(B)の
いずれかが考えられます。
また、特例として
「自らの老齢基礎年金 + 老齢厚生年金の2分の1 十 遺族厚生年金の3分の2」(C)
の組み合わせる受け取り方もあり、
(A)(B)(C)の3つのうちから、いずれか高額な1つが支給されます。
※平成19年3月以前に支給理由が発生したときは、妻がいずれか1つを選択することになっていました。
(A)老齢厚生年金 (全額)
(B)遺族厚生年金 (全額) → 夫の老齢構成年金の4分の3
(C)老齢厚生年金(2分の1) + 遺族厚生年金(3分の2)夫の老齢厚生年金の2分の1
(A)か(B)か(C)+ 妻の老齢基礎年金
平成19年4月からは、妻白身が納めた保険料をできるだけ年金額に反映させるために、妻が自分の老齢厚生年金を全額受給したうえで、(B)や(C)で計算された金額との差額を遺族厚生年金として受け取る仕組みになっています。
Q11 女性が死亡した場合の遺族年金について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
国民年金が支給する遺族基礎年金を受け取れる遺族は、
子供のいる妻、または子供と定められています。
したがって、夫が遺族基礎年金を受け取ることはできません。
このようなケースでは、自営業世帯の妻などが支払ってい
た国民年金保険料が掛け捨てになってしまうので、
要件を満たせば死亡一時金が支給されます。
一方、厚生年金から支給される遺族厚生年金は、夫も受け取れます。
しかし、夫の年齢要件があって、
・妻の死亡時に55歳以上であること、
・妻に生計を維持されていたこと、
などの要件を満たさなければなりません。
さらに、この要件を満たしていても、年金を実際に受け取れるのは60歳からです。
夫が60歳になって自分の老齢厚生年金を受け取れる場合、
遺族厚生年金と合わせてもらうことはできないため、
いずれか一方の年金を受け取ることになります。
妻の遺族厚生年金の方が、自分の老齢厚生年金よりも少額である場合が多いので、
老齢厚生年金を選択する人が多いようです。
したがって、妻が死亡した場合、
遺族厚生年金の受給権は発生するものの、受け取らない場合が多いようです。
Q12 保険料を滞納していた場合の、遺族年金や障害年金について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
保険料を滞納していると、もらえない場合もあります。
健全に年金制度を運用する面から、一定以上の保険料を納めていることが、
受給の要件になっています。
これを、保険料納付要件といいます。
例えば、国民年金や厚生年金に加人中の死亡で、加人間間が短い場合、
保険料納付要件を満たさなければなりません。
次のいずれかを満たしていることが必要です。
・死亡した直近1年間に保険料の滞納がない。
・保険料を滞納した期間が、全体の加入期間の3分の1以上ない。
老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取っていた人や受給資格のある人は、
この要件を満たす必要はありません。
なお、国民年金や厚生年金の障害年金についても、障害の原因になった病気やけが
によって初めて病院で診療を受けた当時の直近1年間に保険料の滞納がないか、
滞納期間が全体の加入期間の3分の1以上ないことが一般的な受給の要件です。
Q13 国民年金基金について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
自営業者などの老後保障を充実させるため、国民年金加入者向けの上乗せ年金として
国民年金基金があります。
国民年金基金には、
・同一の都道府県に住所のある人で組織される「地域型国民年金基金」と、
・同種の事業または業務に従事する人で組織される「職能型国民年金基金」
の2種類があります。
ただし、同時に2つ以上の国民年金基金に加入することや、
途中でやめることはできません。
加入資格は、20歳から60歳までの自営業者とその妻などが対象で、
国民年金の保険料免除者、農業者年金の加入者、サラリーマンの妻は加入できません。
また、保険料の払い込みは国民年金と同様に60歳までで、
年金は原則として65歳から支給されます。
保険料は、地域型も職能型も同一で本人が選択でき、
年金の給付の型、加人口数・加入時の年齢および男女別により異なります。
なお、国民年金基金の保険料は国民年金の保険料と同様、
全額が所得税・住民税の社会保険料控除の対象となります。
Q14 厚生年金基金の年金額が少ない
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
厚生年金基金とは、老齢厚生年金の報酬比例部分の一部を国にかわって支給する制度です。
企業単位や同業種組合等で設立されています。
報酬比例部分のうち、国は賃金水準の伸びや物価スライドによる額部分を支給し、
基金はそれ以外の部分を支給します。
厚生年金基金が支給するのを代行部分といいますが、代行部分はプラスアルファを
つけて国が行う年金額よりも、手厚いものにするようになっています。
基金加入者が老齢厚生年金を受けられるようになったとき、国と基金の両方から
年金が支給されますが、計算はそれぞれ別個に行われます。
社会保険事務所で計算する年金額は国が支給する部分のみですので、
基金の計算書も取り寄せて合計しないと、正確な老齢厚生年金は確認できません。
Q15 生命保険から個人年金保険への変更について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
生命保険には、現在契約している保険を下取りして、
新しい保険に変えることのできる「転換制度」があります。
この場合、保険料は転換時の年齢などで計算されますが、
現在契約している保険の積立部分や配当金を転換後の保険料の一部に充当するので、
その分だけ転換後の保険料の負担は軽くなります。
また、長期継続した保険に支払われる特別配当の権利は新しい保険にも引き継がれます。
転換制度を利用できるのは、同じ会社の保険に限られ、
・契約してから一定期間を経過していること、
・満期まで一定期間を残している
などの条件があります。
転換に際しても、告知または医師の診査が必要です。
ただし、転換できる保険種類は生命保険会社によって違いますので、
年金への変更を希望しても、転換制度が利用できない場合もあります。
Q16 生命保険会社の個人年金保険の年金受取人変更について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
一般的に、契約者は被保険者の同意を得て、年金受取人を変更することができます。
ただし、変更後の年金受取人は被保険者または契約者のうちから指定します。
また、年金開始日前であれば、契約者は被保険者の同意および保険会社の承諾を得て
契約者を変更することができます。
なお、契約形態に応じて年金にかかる税金が違います。
個人年金保険料税制適格特約を付加した場合、年金受取人の変更はできません。
Q17 終身保険を契約し、保険料払込終了時点で年金に移行することについて
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
終身保険は死亡保障が一生涯続く保険ですので、死亡保障面では有利ですが、
最初から年金の受け取りを目的とするなら、
個人年金保険のほうが受取額が多く有利です。
当面の死亡保障と老後の年金の両方を目的とするなら終身保険、
老後の年金だけに絞るなら個人年金保険を選択したほうがよいと思われます。
Q18 保険料の払い込みが困難になった場合
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1.年金の減額年金額を減額することにより、それ以降の保険料負担が軽くなります。減額した部分は解約したものとして取り扱われますので、その部分に相当する解約返戻金(払戻金)が受け取れます。ただし、「個人年金保険料税制適格特約」を付加している契約については、減額時に払戻金は受け取れません。この場合、解約返戻金相当部分は、保険会社が積み立てておき、年金開始の際に年金額を増額します。なお、年金の受け取りが開始している場合は減額することはできません。また、減額する際に各種特約の保障額が同時に減額される場合もあります。
2.払済年金保険への変更
保険料の払い込みを中止して、その時点での解約返戻金をもとに年金受取期間をそのままにした、小型の年金に変更する方法です。各種特約がついている場合、その特約は消滅します。契約後の経過年数や解約返戻金の額によっては、払済年金保険に変更できない場合もあります。なお、「個人年金保険料税制適格特約」を付加した個人年金保険は、契約してから10年間は、払済年金保険に変更することができません。
※減額、払済年金保険への変更後、一定の期間内であれば変更前の契約に戻せる場合もあります。これを復旧といいます。復旧に際しては、告知または診査と復旧部分の積立金不足額の払い込みが必要です。生命保険会社によっては、所定の利息(複利)の払い込みも必要となります。
3.自動振替貸付制度
一時的に保険料の払い込みが困難な場合は、自動振替貸付という制度があります。
この制度は、保険料の払い込み猶予期間が過ぎたときに、生命保険会社が解約返戻金の範囲内で保険料を自動的に立て替え、契約を有効に継続させる制度です。立て替えられた保険料には、所定の利息(複利)がつきます。借りたお金は、全額または一部をいつでも返済することができます。
Q19 契約している年金からお金を借りたい
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
契約者貸付制度を利用できる場合があります。
この制度は、契約している保険の解約返戻金の一定範囲内(例えば8割、9割など)で
お金を借りることができる制度です。
借りたお金には、所定の利息(複利)がつきます。
返済は自動振替貸付と同様、いつでもできます。
※年金受取開始日の前日までに、自動振替貸付または契約者貸付の貸付金を返済しない場合は、年金を支払うために積み立てている部分(責任準備金)から、貸付金の元利金を差し引いて年金額を決めます。年金額が生命保険会社の定める額に満たない場合は、会社は一時金を支払い契約は消滅します。
Q20 受け取っている年金を精算して、一括受け取りしたい
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
確定年金の場合は、まだ受け取っていない残りの期間の年金を精算し、
その年金現価を一括して受け取ることができます。
その時点で契約は消滅します。
保証期間付終身年金の場合は、保証期間内のまだ受け取っていない期間の年金現価のみ
精算して一括受け取りできます。
ただし、契約は消滅せず、保証期間経過後に被保険者が生存していれば
再び年金受け取りが開始され、死亡するまで一生涯年金を受け取ることができます。
保証期間のない終身年金は、一括受け取りも解約もできません。
Q21 利率が変わる個人年金保険について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
利率変動型の個人年金保険があります。
保険料を計算する際、
3つの予定率(予定死亡率、予定利率、予定事業費率)を用います。
そのなかの予定利率は、生命保険会社が資産運用による一定の収益をあらかじめ見込んで、
その分の保険料を割り引く割引率のことで、通常この利率は契約時に決められると
途中で変更されることはありません。
予定利率が高く設定されると保険料は安くなり、反対に低くなると保険料は高くなります。
従来の商品は、3つの予定率と実際の率との差によって生じる損益を集計し、
剰余が生じた場合、配当金として契約者に分配される仕組みになっています。
個人年金保険の場合、配当金は積み立てられ、
年金開始時に増額年金として受け取るのが一般的です。
一方、利率変動型の個人年金保険は、契約後一定期間(5年など)ごとに、
予定利率の見直しを行うことにより、年金額がその都度変更されます。
適用される予定利率には最低保証が設けられており、この最低保証の予定利率より
利率が高く設定されれば、年金額・解約返戻金額などが増えることになります。
払い込む保険料は保険期間にわたって変わらず、無配当商品なので配当金はありません。
Q22 同じ保険料で従来のものより受け取る年金額が多い個人年金保険とは
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
年金開始前に死亡した場合に、受け取れる死亡給付金を抑え、
その分年金の受取額を多くした「生存保障重視型」の個人年金保険です。
従来型では、年金開始前に死亡した場合、
死亡時点での払込保険料の総額を上回る死亡給付金を受け取れますが、
生存保障重視型は払込保険料相当額に抑えられます。
保証期間付終身年金、確定年金、保証期間付有期年金のそれぞれに、
生存保障重視型があります。
なお、年金開始前に解約した場合は、契約後の経過年数に応じた解約返戻金を受け取れますが、
経過年数によっては払込保険料の総額を下回ります。
従来型では契約後一定期間を経過すると払込保険料の総額を上回りますが、
生存保障重視型ではおおむね払込保険料の総額が上限となるため、
従来型よりも少なくなります。
Q23 外貨建ての個人年金保険について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
外貨建ての個人年金保険は、保険料をドルやユーロなどの外貨で運用する
個人年金保険です。
受け取る年金なども、基本的には外貨建てになります。
保険料の払い込みは、一時払タイプが主流で、
所定の据置期間の満了後に、年金ないし一時金で受け取ることができます。
商品によっては海外の金利をもとに比較的高めの予定利率を設定しています。
また、利率変動型個人年金保険を外貨建てとして取り扱う生命保険会社もあります。
外貨建てのため為替リスクがあり、例えば外貨を円に交換する際に、
為替差損益が生ずる可能性があります。
また通常、円と外貨の交換を行う際は所定の為替手数料がかかります。
被保険者が据置期間中に亡くなったときに受け取る死亡給付金は、
通常、外貨での一時払保険料が最低保証されています。
Q24 個人年金保険を契約していると税金か軽減されるとは
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
生命保険や個人年金保険を契約していると、払い込んだ保険料の一定額が
その年の所得から控除され、所得税と住民税の負担が軽減されます。
「一般の生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」があり、それぞれ
所得税で最高5万円、住民税で最高3万5千円を所得金額から差し引くことができます。
個人年金保険の契約については、すべての個人年金保険が個人年金保険料控除の対象と
なるわけではなく、「個人年金保険料税制適格特約」を付加した契約に限られます。
この特約を付加するためには、
1.年金受取人が契約者または配偶者のいずれか
2.年金受取人は被保険者と同一人
3.保険料払込期間が10年以上(一時払は不可)
4.確定年金か有期年金の場合は、年金開始日における被保険者の年齢が60歳以上で、年金受取期間が10年以上あること
などの条件をすべて満たす必要があります。
なお、医療関係特約など特約部分の保険料や、税制適格特約を付加していない
個人年金保険の保険料は「一般の生命保険料控除」の対象です。
税制適格特約を付加した場合、「個人年金保険料控除」を受けられる反面、
・配当金が途中で引き出せない、
・年金受取人を変更することができない、
・税制適格特約だけをはずすことはできない、
などいくつかの制限を受けることになります。
Q25 生命保険会社の財形年金について
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
サラリーマンが給与天引きで加入できるもので、
生命保険会社の財形年金は「財形年金積立保険」という商品です。
仕組みは個人年金保険とよく似ています。
ただし、勤務先が生命保険会社の財形を導入していなければ利用できません。
生命保険会社の場合、
払込保険料累計額385万円(かつ財形住宅とあわせて550万円)までは、
利子などの差益が非課税となり、
さらに年金受取開始後に受け取る年金も非課税となります。
なお、年金受け取り以外の目的で引き出す場合は解約となり、課税対象となります。
|