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老後の生活資金を計画的に準備するにはしっかりとした準備が必要です。老後の生活資金の基本は、国民年金や厚生年金などの公的年金です。サラリーマンや公務員の場合は、退職金あるいは企業年金がある場合があります。ご自身が必要な老後の生活資金をイメージし、現在、考えられる老後の生活資金で不足が生じる場合は、準備をする必要があります。
生命保険文化センターが平成16年5〜6月に実施した「生活保障に関する調査」では、ゆとりある老後生活に必要な金額(希望額)は、月額で平均37.9万円という結果でした。
※お一人お一人必要の金額は違います。
※平均37.9万円=老後の最低日常生活費24.2万円+ゆとりのための上乗せ額13.7万円
一般的に老後の所得保障は、公的年金、企業年金や退職一時金、自助努力による個人年金や貯蓄の3種類で構成されています。公的年金に関していは、自営業者等は1階、サラリーマンは2階、公務員等は3階構造となっています。国民年金、厚生年金、共済年金などの公的年金を基本に考えます。
公的年金は、夫婦の職業の組み合わせで変わります。
妻が公務員の場合 → 夫:国民年金 妻:共済年金、国民年金
妻が会社員の場合 → 夫:国民年金 妻:厚生年金、国民年金
妻が専業主婦の場合 → 夫:国民年金 妻:国民年金
妻が公務員の場合 → 夫:厚生年金、国民年金 妻:共済年金、国民年金
妻が会社員の場合 → 夫:厚生年金、国民年金 妻:厚生年金、国民年金
妻が専業主婦の場合 → 夫:厚生年金、国民年金 妻:国民年金
妻が公務員の場合 → 夫:共済年金、国民年金 妻:共済年金、国民年金
妻が会社員の場合 → 夫:共済年金、国民年金 妻:厚生年金、国民年金
妻が専業主婦の場合 → 夫:共済年金、国民年金 妻:国民年金
対象者
自営業者、学生、専業主婦など20歳以上60歳未満の国内在往者。
保険料
1人一律月14,100円(平成19年度)。
サラリーマン・公務員の妻または夫で扶養されている人は負担はありません。
保険料の支払方法
本人持参、振込、口座振替、インターネットなど。
保険料の支払期間
原則として20歳から60歳に達するまでの40年間。
老後に受け取れる年金の種類
老齢基礎年金。
受け取る年金額(年額)
最高で79.21万円(平成19年度) 夫婦ともに満額をもらえば約160万円。
加入期間によって異なります。
年金を受け取る年齢
65歳から一生涯。
60歳から繰上げ、70歳まで繰下げの支給も可能です。
照会先
社会保険事務所、または市区町村役場。
対象者
サラリーマン、OL、船員など。
国民年金にも同時に加入します。
保険料
平成18年9月から19年8月までは月給と賞与ともに7.321%。
平成19年9月からは7.498%。
同額を会社が負担しています。
保険料の支払方法
給与天引き。
保険料の支払期間
サラリーマン在職中(最長70歳になるまで)。
20歳未満の人も支払います。
老後に受け取れる年金の種類
老齢基礎年金+老齢厚生年金。
受け取る年金額(年額)
150万円〜250万円ぐらいの人が多い(基礎年金と厚生年金の合計額)。
加入期間や生年月日、サラリーマン時代の平均収入額(賞与含む)で個人差があります。
年金を受け取る年齢
満額の年金は、段階的に61歳から65歳へと、支給開始年齢が引上げられます。
60歳から繰上げ、70歳まで繰下げの支給開始も可能です。
照会先
社会保険事務所。
対象者
公務員、教員など。
国民年金にも同時に加入します。
保険料
各共済組合(制度)ごとに保険料率は違います。
厚生年金と同様に賞与からも月給と同じ料率で支払います。
保険料の支払方法
給与天引き。
保険料の支払期間
公務員等在職中(私学共済は最長70歳になるまで)。
20歳未満の人も支払います。
老後に受け取れる年金の種類
老齢基礎年金+退職共済年金。
受け取る年金額(年額)
160万円〜270万円ぐらいの人が多い(基礎年金と共済年金の合計額)。
組合員期間や生年月日、公務員時代の平均収入額(賞与含む)で個人差があります。
年金を受け取る年齢
満額の年金は、段階的に61歳から65歳へと支給開始年齢が引上げられます。
60歳から繰上げ、70歳まで繰下げの支給開始も可能です
照会先
各共済組合の本部や支部。
※インフレなどで物価が変動すると、前年の全国消費者物価指数の変動率などに応じて、毎年4月分からの年金額が改定されます。平成19年度のスライド率は0.985です。平成19年度中に支給される年金額を平成19年度価格という。
国民年金や厚生年金の保険料納付等の加入歴は、1人で1つの基礎年金番号で記録管理されています。基礎年金番号がスタートした平成9年1月から、以前の加入歴も基礎年金番号に統合され、保険料の金納付期同等が記録管理されています。しかし、この番号に統合できなかった加入歴が約5、000万件あります。また、過去のマイクロフィルムで保管されていた記録で、基礎年金番号に未統合のものが1、430万件、船員保険でも36万件あります。
本人が年金制度に加入して保険料を支払ったのに、年金の加人歴には記録されていない場合があります。
平成20年3月まで5,000万件の照合を完了。
平成20年5月まで1,430万件と36万件の照合・結果通知を完了。
平成19年12月〜平成20年3月
5,000万件の照合の結果、記録が結びつくと思われる受給者・加入者へ保険料納付履歴を通知。
平成20年10月まですべての受給者・加入者へ通知を完了。
※これらの通知のことを、「ねんきん特別便」といいます。
1.年金加入履歴を確認します。
・社会保険事務所で確認。
・「ねんきん特別便」で確認。
2.今までの職歴をもとに、自分が認識する年金加入歴を整理します。
3.社会保険庁の年金加入歴と自分が認識する年金加入歴を比較します。
4.加入歴のもれがあった場合
●保険料の領収書がある場合、保険料の領収書を持参のうえ社会保険事務所へ申告します。
●保険料の領収書がない場合、各地の年金記録確認第三者委員会へ申し出ます。
5.保険料をおさめたにもかかわらず、領収書がない場合国民年金については、基本的に保険料の領収書が必要です。しかし、領収書等がなくても各地の年金記録確認第三者委員会への申し出により、診査のうえ認められます。
●国民年金
預貯金口座から保険料相当が出金されている未納とされる期開か短い確定申告書の控えに保険料相当額が記載されている同居している親族に未納者がいない家計簿に日付や保険料相当額が記載されている過去の未納分を納付できた「特例納付」後は、未納がない
※厚生年金も含め、納付したと認められるための関連資料やその他の事情
給与明細や賃金台帳で保険料控除が確認できる人事記録、勤務先の証言により、加入実態が確認できる健康保険、雇用保険、厚生年金基金等の関連制度の記録により加入実態が確認できる委託先の社会保険労務士が保管する被保険者台帳により加入実態が確認できる
自営業、専業主婦、学生の方など、一律の保険料14,100円を納めます。
・国から送られてくる納付書で納付する。
・銀行などの口座からの自動引き落とし可能。
・金融機関(インターネット含む)や一部のコンビニで納付可能。
・毎月の保険料は翌月の末日まで。
・前納すると割引があります。
・納付しないで2年が経つと、滞納期間となる。
・月給(標準報酬月額、上限62万円)と賞与(標準賞与額、上限150万円)に7.498%(平成19年9月以降)をかけたのが、本人負担分の保険料。勤務先も同額を負担する。
・専業主婦は国民年金保険料の負担はなく、厚生年金全体で負担しています。但し、専業主婦でも、年収130万円以上なら14,100円を負担となります。
・本人負担分は月給と賞与から天引きされる。
・サラリーマンに扶養される妻として、夫の勤務先経由で国民年金の第3号被保険者の該当届が必要。
・やむをえない理由で過去に未届けの期間がある人は、社会保険事務所で手続きをすると、昭和61年4月までさかのぼって被保険者になれる。
●国民年金
対象者
【法定免除】
生活保護法の生活扶助を受けている人など
免除額:全額
※免除期間分は部分的に年金額に反映される
【申請免除】
所得が一定額以下などで申請が認められた人
免除額:所得に応じて1/4、半額、3/4、全額の多段階
※免除期間分は部分的に年金額に反映される
追納
10年以内の免除分は遡って納付できる
その他
【学生の納付特例】
20歳以上の学生が所得要件を満たせば全額免除される
【若年者納付猶予制度】
30歳未満で所得要件を満たせば全額免除される
※どちらの免除期間も年金額には反映されない。
免除には申請が必要。上記と同様に迫納できる
●厚生年金
対象者
育児休業等をしている被保険者で、子供が3歳になるまで
(勤務先が申し出をする)
免除額
月給分・賞与分ともに全額。会社負担分も免除
追納
追納の必要なし
その他
【養育期間中の従前標準報酬月額の保障】
3歳未満の子供を養育中の人は、勤務時間の短縮などで標準報酬月額が養育前よりも下がった場合、下がった額にもとづく保険料を負担するが、申し出により年金額の計算上は養育前の標準報酬月額が保障される
夫婦で国民年金に加入している場合。
65歳になると、国民年金から老齢基礎年金が支給されます。
老齢基礎年金【早見表】年額(万円)
(A)=生年月日(昭和)15.4.2〜16.4.1
(B)=生年月日(昭和)16.4.2以降
加入期間
40年 (A)=0 (B)=79.21
39年 (A)=79.21 (B)=77.23
38年 (A)=77.18 (B)=75.25
37年 (A)=75.15 (B)=73.27
36年 (A)=73.12 (B)=71.29
35年 (A)=71.09 (B)=69.31
34年 (A)=69.05 (B)=67.33
33年 (A)=67.02 (B)=65.35
32年 (A)=64.99 (B)=63.37
31年 (A)=62.96 (B)=61.39
30年 (A)=60.93 (B)=59.41
29年 (A)=58.90 (B)=57.43
28年 (A)=56.87 (B)=55.45
27年 (A)=54.84 (B)=53.47
26年 (A)=52.81 (B)=51.49
25年 (A)=50.78 (B)=49.51
※平成19年度価格
自営業者等の国民年金加入者は、国内に住む20歳以上60歳未満の人です。しかし次のような人なども国民年金に任意に加入することができます。
●日本国内に住む60歳以上65歳未満の人。
●海外に住む20歳以上65歳未満の日本人。
上記の人は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない場合や、満たしていても満額の年金を受けられない場合に任意加入することができます。この他、昭和40年4月1日以前生まれで、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない人は、65歳以上70歳未満の期間も任意加入することができます。毎月負担する保険料は14,100円で、手続きは加入するときもやめるときも市区町村役場に申し出て行うことができます。任意加入している人は、保険料免除制度はありません。
加入期間の計算対象となるのは次の月数です。
1.国民年金、厚生年金、共済年金の加入期間。
2.国民年金の保険料免除期間。
3.任意加入できるのにしなかった60歳未満の期間など(カラ期間)
4.学生の納付特例・若年者納付猶予制度による免除期間
以上の期間を受給資格期間といいます。
なお、3、4の期間は、加入期間にはカウントされますが、年金額には反映されません。
※生年月日や厚生年金などの加入年数の特例により、25年の加入期間がなくても年金の受給資格を得られる場合があります。
平成19年度の基本額(年額)=792,100円
国民年金から支給される老齢基礎年金の最高額(満額)。
昭和16年4月2日以降生まれの人は、40年間加入していないともらえない。
A=保険料を支払った月数
B=保険料免除月数
C=免除の種類に応じて5/6〜1/3
D=加入可能年数
20歳から60歳になるまでの40年間が原則ですが、生年月日に応じて加入年数が短縮される措置がある。
792,100円 × (( A + (B × C)) ÷ ( D × 12 ))
保険料を免除された場合、免除の種類に応じて、その期間分に次の係数をかます。
・4分の1免除 → 5/6 ・ 4分の3免除 → 1/2
・半額免除 → 2/3 ・全額免除 → 1/3
夫は昭和42年6月生まれ。
今までの国民年金の保険料支払期間は15年間。
今年40歳だから、60歳まであと20年加入すると加入期間は35年になる予定。
妻は3歳年下の昭和45年9月生まれで主婦。
今までの国民年金の保険料支払期間は7年間、60歳まであと23年あるので合計すると加入期間は30年になる予定。
(A)夫のみ老齢基礎年金の期間(夫65歳〜夫67歳、妻62歳〜妻65歳)
夫の年金のみで、年額69.31(月額5.78)万円。
(B)夫と妻の老齢基礎年金の期間(夫68歳〜夫の死亡まで、妻66歳〜)
夫の年金+妻の年金で、年額128.72(月額10.73)万円。
(C)妻のみ老齢基礎年金の期間
妻の年金のみで年額59.41(月額4.95)万円。
※妻が先に死亡すると、受け取れるのは夫の年金のみとなります。
※A〜Cの年金ともに、実際は物価変動分などが反映された金額になります。
会社員は、60歳から65歳になるまでは部分年金や特別支給の老齢厚生年金を、65歳以降は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取ります。「特別支給の老齢厚生年金」は、報酬比例部分と定額部分からなります。
平成13年4月から定額部分の支給開始年齢の引上げがスタートし、2年おきに1歳ずつ引上げが行われます。女性は5年遅れで実施されます。部分年金(報酬比例部分)は60歳から支給されます。定額部分の支給開始年齢の引上げが完了すると、引き続いて、部分年金の引上げが平成25年4月からスタートし、最終的には60歳〜65歳になるまでは年金が支給されないことになります。なお、60歳〜65歳になるまでの希望する年齢から、減額された年金を受給できる繰上げ支給制度が導入されています。
<旧>
●(男性)生年月日:昭和16年4月1日以前 (女性)生年月日:昭和21年4月1日以前
60歳〜65歳 → 特別支給の老齢基礎年金(定額部分+報酬比例部分)
65歳〜 → 老齢基礎年金、老齢厚生年金
↓
<平成13年4月から定額部分の支給開始年齢の引き上げ>
●(男性)生年月日:昭和16年4月2日〜昭和18年4月1日
(女性)生年月日:昭和21年4月2日〜昭和23年4月1日
60歳〜61歳 → 部分年金
61歳〜65歳 → 特別支給の老齢基礎年金(定額部分+報酬比例部分)
65歳〜 → 老齢基礎年金、老齢厚生年金
●(男性)生年月日:昭和18年4月2日〜昭和20年4月1日
(女性)生年月日:昭和23年4月2日〜昭和25年4月1日
60歳〜62歳 → 部分年金
62歳〜65歳 → 特別支給の老齢基礎年金(定額部分+報酬比例部分)
65歳〜 → 老齢基礎年金、老齢厚生年金
●(男性)生年月日:昭和20年4月2日〜昭和22年4月1日
(女性)生年月日:昭和25年4月2日〜昭和27年4月1日
60歳〜63歳 → 部分年金
63歳〜65歳 → 特別支給の老齢基礎年金(定額部分+報酬比例部分)
65歳〜 → 老齢基礎年金、老齢厚生年金
●(男性)生年月日:昭和22年4月2日〜昭和24年4月1日
(女性)生年月日:昭和27年4月2日〜昭和29年4月1日
60歳〜64歳 → 部分年金
64歳〜65歳 → 特別支給の老齢基礎年金(定額部分+報酬比例部分)
65歳〜 → 老齢基礎年金、老齢厚生年金
●(男性)生年月日:昭和24年4月2日〜昭和28年4月1日
(女性)生年月日:昭和29年4月2日〜昭和33年4月1日
60歳〜65歳 → 部分年金
65歳〜 → 老齢基礎年金、老齢厚生年金
<平成25年4月から、部分年金の支給開始年齢の引き上げ>
●(男性)生年月日:昭和28年4月2日〜昭和30年4月1日
(女性)生年月日:昭和33年4月2日〜昭和35年4月1日
60歳〜61歳 → なし
61歳〜65歳 → 部分年金
65歳〜 → 老齢基礎年金、老齢厚生年金
●(男性)生年月日:昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日
(女性)生年月日:昭和35年4月2日〜昭和37年4月1日
60歳〜62歳 → なし
62歳〜65歳 → 部分年金
65歳〜 → 老齢基礎年金、老齢厚生年金
●(男性)生年月日:昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日
(女性)生年月日:昭和37年4月2日〜昭和39年4月1日
60歳〜63歳 → なし
63歳〜65歳 → 部分年金
65歳〜 → 老齢基礎年金、老齢厚生年金
●(男性)生年月日:昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日
(女性)生年月日:昭和39年4月2日〜昭和41年4月1日
60歳〜64歳 → なし
64歳〜65歳 → 部分年金
65歳〜 → 老齢基礎年金、老齢厚生年金
●(男性)生年月日:昭和36年4月2日〜
(女性)生年月日:昭和41年4月2日〜
60歳〜65歳 → なし
65歳〜 → 老齢基礎年金、老齢厚生年金
※共済年金の場合は、厚生年金と同じように引き上げとなります。
厚生年金の年金額は、生年月日と加入期間、平均月収額で決まります。
年金額=(1.報酬比例部分)+(2.定額部分)+(3.加給年金)
1.報酬比例部分
■在職中の平均月収(賞与を含む)と加入期間をもとに計算。
月給・賞与の額、加入期間が同じでも生年月日で金額が違います。
■部分年金に相当します。
■65歳からの老齢厚生年金に相当します。
2.定額部分
■厚生年金に加入していた期間をもとに計算。
同じ加入期間でも、生年月日で金額が違います。
■65歳からの老齢基礎年金部分に相当します。
3.加給年金
■妻子がいる場合、一定要件を満たすと加給年金が加算されます。
老後の扶養家族手当のようなものです。
■妻が65歳になるまで、あるいは子供の18歳到達年度の末日(高校卒業)まで加算されます。
妻を対象とした加給年金額は、夫の生年月日で6ランクに分かれています。
↓
●夫の生年月日:昭和9年4月1日以前
加給年金額(年額):227,900円
●夫の生年月日:昭和9年4月2日〜昭和15年4月1日
加給年金額(年額):261,500円
●夫の生年月日:昭和15年4月2日〜昭和16年4月1日
加給年金額(年額):295,200円
●夫の生年月日:昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日
加給年金額(年額):328,900円
●夫の生年月日:昭和17年4月2日〜昭和18年4月1日
加給年金額(年額):362,500円
●夫の生年月日:昭和18年4月2日以降
加給年金額(年額):396,000円
※子供を対象として加算される加給年金額は、一律1人につき227、900円(1人目、2人目の子)、75、900円(3人目以降の子)となっています。
※妻が年金を受け取る場合にも、夫や子供を対象として、加給年金が加算される場合があります。
注意点
1.報酬比例部分について
総報酬制の導入により、老齢厚生年金(報酬比例部分)の計算は、導入前の加入期間と導入後の加入期間に分けて計算します。平成15.3以前の分は、「平均標準報酬月額(平成15年3月以前の在職中の平均月給)」をもとに計算します。平成15年4月以後の分は、「平均標準報酬額(平成15年4月以後の在職中の賞与を含めた平均月収)」をもとに計算する。報酬比例部分で年金受取額の差がでます。
2.定額部分について
定額単価と加入月数をもとに計算します。加入月数には、生年月日によって、420〜480月の上限があります。
3.加給年金について
厚生年金の加入期間が原則20年以上ある場合に加算されます。部分年金だけ支給されている期間や、妻白身が原則20年以上会社動めをして老齢厚生年金を受けられる期間中などは加算されません。
共済年金には職域年金相当分か上乗せされ、3階建ての年金となります。
公務員、教員などは共済組合(制度)に加入し、老後は退職共済年金を受給します。
退職共済年金は、職域年金相当分が上乗せとなった3階建ての年金制度です。職域年金相当分は、共済年金独自の年金で、会社員が受け取る企業年金に相当するものともいえます。最も金額の多い人で厚生年金相当分の20%となります。
65歳からは老齢基礎年金と退職共済年金が支給されます。なお、支給開始年齢の引上げは、男女ともに厚生年金の男性の場合と同じです。しばらくの間、60歳からは厚生年金相当分と職域年金相当分か支給されます。
特別支給の退職共済年金
<60歳〜64歳> 支給開始年齢は、生年月日により異なります。
●3階
・職域年金相当分(報酬比例部分)
・退職共済年金のうち職域年金相当分
{ 平均標準報酬月額 × 乗率A × H15.3以前の組合員期間の月数 + 平均標準報酬額 × 乗率B × H15.4以降の組合員期間の月数 }× 1.031 × 0.985
●2階
・厚生年金相当分(報酬比例部分)
・退職共済年金のうち厚生年金相当分
{ 平均標準報酬月額 × 乗率C × H15.3以前の組合員期間の月数 + 平均標準報酬額 × 乗率D × H15.4以降の組合員期間の月数 }× 1.031 × 0.985
●1階
・定額部分
・国民年金の老齢基礎年金
(参考:共済年金の乗率(乗率A〜乗率D))
1.職域年金相当分
●総報酬制導入前の期間分
乗算(A)=生年月日により、0.5/1000〜1.5/1000
●総報酬制導入後の期間分
乗算(B)=生年月日により、0.385/1000〜1.154/1000
2.厚生年金相当分
●総報酬制導入前の期間分
乗算(C)=生年月日により、10/1000〜7.5/1000
●総報酬制導入後の期間分
乗算(D)=生年月日により、7.692/1000〜5.769/1000
※年金額の5%適正化(44ページ02参照)が適用されるまでの当面の乗率です。
※職域年金相当分の乗率は組合員期間が20年以上の場合です。
妻の厚生年金加入歴で夫婦の年金受取りパターンが違います。
一般的に女性は男性と比べると、厚生年金の加入期間が短かったり、専業主婦の場合は、カラ期間を持っていたりする場合も多くあります。
夫は、昭和22年度生まれの平均的なサラリーマンで厚生年金に20年以上加入。妻は、5歳年下の昭和27年度生まれで、夫により生計を維持されている。上記の場合について考えてみます。
(夫)
60歳から64歳まで、部分年金。
64歳から65歳まで、特別支給の老齢厚生年金+加給年金
65歳からは、老齢厚生年金+老齢基礎年金
(妻)
60歳から64歳まで、部分年金。
64歳から65歳まで、特別支給の老齢厚生年金
65歳からは、老齢厚生年金+老齢基礎年金
夫の死亡後は、3つのパターン + 老齢基礎年金
・夫が20年以上厚生年金に加入していると、夫の年金に加給年金がつきますが、妻が厚生年金に20年以上加入し、妻本人の年金を受け取り始めると、夫の加給年金は支給停止となります。
・夫の死後、妻は3つのパターンのなかから年金額が最も多い組み合わせで支給される。年金のパターンには、老齢厚生年金、遺族厚生年金、老齢厚生年金(2分の1)+遺族厚生年金(3分の2)が支給されるとき、妻の生年月日により経過的寡婦加算がつきます。
(夫)
60歳から64歳まで、部分年金。
64歳から65歳まで、特別支給の老齢厚生年金+加給年金(妻が65歳までの間)
65歳からは、老齢厚生年金+老齢基礎年金+加給年金(妻が65歳まで)
(妻)
60歳から64歳まで、部分年金。
64歳から65歳まで、特別支給の老齢厚生年金
65歳からは、老齢厚生年金+老齢基礎年金(+振替加算)
夫の死亡後は、老齢厚生年金・遺族厚生年金(経過的寡婦加算含む)+ 老齢基礎年金(+振替加算)
・女性の厚生年金への加入年数は一般的に短く、7年間の例でみると以下のようになります。
・妻が60歳になると加入期間7年分で計算した部分年金が支給され、特別支給の老齢厚生年金は64歳から支給されます。
・妻が65歳になると、老齢基礎年金、老齢厚生年金が支給されるが、夫の加給年金はなくなり、それにかわって妻に振替加算がつきます。振替加算の金額は、妻の年齢によって違います。
・夫の死後、年金は、老齢厚生年金、遺族厚生年金、老齢厚生年金(2分の1)+遺族厚生年金(3分の2)のいずれかとなりますが、妻の厚生年金の加入期間が短いので、一般的には夫の遺族年金を受け取ります。妻の老齢厚生年金が優先的に支給されるため、遺族厚生年金は、その分を差し引いた金額になります。妻の生年月日により、遺族厚生年金に経過的寡婦加算がつきます。
(夫)
60歳から64歳まで、部分年金。
64歳から65歳まで、特別支給の老齢厚生年金+加給年金(妻が65歳までの間)
65歳からは、老齢厚生年金+老齢基礎年金+加給年金(妻が65歳まで)
(妻)
60歳から64歳まで、部分年金。
65歳からは、老齢基礎年金(+振替加算)
夫の死亡後は、遺族厚生年金(+経過的寡婦加算)+ 老齢基礎年金(+振替加算)
・妻が65歳になると老齢基礎年金が支給されるが、夫の加給年金はなくなり、そのかわりに妻に振替加算がつきます。
・夫の死後、妻本人の老齢基礎年金と遺族厚生年金を受け取ります。妻の生年月日により、遺族厚生年金に経過的寡婦加算がつきます。
・振替加算とは、夫の加給年金が切り離されて、それにかわって妻の老齢基礎年金に加算されるものです。サラリーマンの妻(被扶養配偶者)は、受給資格期間を満たしても、一般的にカラ期間がある分だけ老齢基礎年金額が低くなるので、その分を埋め合わせるために支給されます。
サラリーマンの妻(被扶養配偶者)は、昭和61年4月以後は第3号被保険者として強制加入になりましたが、それまでは任意加入でした。任意加入できるのに加入しなかった期間をカラ期間といいます。加入期間(原則25年必要)を計算するうえでは、カラ期間を含めますが、カラ期間中は保険料を納めていないので、年金額の計算には反映されません。
老齢厚生年金表(女性)は、65歳から受け取れる金額で、老齢基礎年金の額は含みません。なお、生年月日によっては60歳〜65歳になるまでの間、特別支給の老齢厚生年金または、部分年金を受け取れます。その場合、表の金額は報酬比例部分の金額にあたります。
老齢厚生年金表(女性)昭和21年4月2日以降生まれの場合
●平均標準報酬月額 15万円 の場合
(2年)2.74、(5年)6.85、(7年)9.60、(10年)13.71、(12年)16.45、(15年)20.56、(17年)23.31(20年)27.42
●平均標準報酬月額 20万円 の場合
(2年)3.66、 (5年)9.14、(7年)12.80、(10年)18.28、(12年)21.94、(15年)27.42、(17年)31.08、(20年)36.56
●平均標準報酬月額 25万円 の場合
(2年)4.57、(5年)11.42、(7年)15.99、(10年)22.85、(12年)27.42、(15年)34.27、(17年)38.84、(20年)45.70
●平均標準報酬月額 30万円 の場合
(2年)5.48、(5年)13.71、(7年)19.19、(10年)27.42、(12年)32.90、(15年)41.13、(17年)46.61、(20年)54.84
※平成15年4月以降は総報酬制の適用を受けますが、賞与総額が全月給の30%であれば、上記から年金額を求めることができます。
※平成16年改正により導入されたマクロ経済スライド制による調整率は加味していません。
※35%の年金水準抑制がされますが、従前額の保障規定によって算出しています。
60歳を迎えても、まだまだ現役。定年後も今までの会社に継続して勤務したり、再就職したりする人の場合に受給できる雇用保険の給付や、働きながら受け取る在職老齢年金の仕組みについて説明します。
雇用保険は、単に失業時の保障だけではなく、継続勤務や再就職の場合に対応して、継続雇用や再就職を支援する給付があります。
継続勤務や再就職した場合、月給が60歳時や再就職前の75%未満に低下した等の要件を満たすと、高年齢雇用継続基本給付金、または高年齢再就職給付金を受給できます。
●高年齢雇用継続基本給付金
受給要件
・60歳以降も継続勤務し、60歳時の賃金の75%未満に低下
・今まで5年以上雇用保険に加入
・引き続いて雇用保険に加入
受給額(月額)
・継続勤務時の賃金の最大15%
受給期間
・60歳から65歳になるまで
●高年齢再就職給付金
受給要件
・60歳以降に再就職し、再就職前の賃金の75%未満に低下
・今まで5年以上雇用保険に加入
・再就職によって雇用保険に加入
・基本手当を受け取れる日数を100日以上残して再就職
受給額(月額)
・再就職先での賃金の最大15%
受給期間
・基本手当の残日数が100日〜200日未満 → 再就職時より1年間
・基本手当の残日数が200日以上 → 再就職時より2年間
※受給期間内でも、65歳になる月までで打ち切り。
定年後、失業状態の場合は、雇用保険から失業給付(基本手当)を受給できます。その基本的な要件は次のとおりです。
●受給要件
・雇用保険の加入期間が退職以前2年間に12ヵ月以上ある。(平成19年10月1日以降に離職した場合)
・労働の意思と能力があっても職に就けない。
・ハローワークヘ出向き、退職についての手続きが済んでいる。
基本手当の日額は、退職直前の賃金の日額をもとに計算します。このような基本手当を受け取れる日数は、それまでの雇用保険の加入期同等によって決まります。原則として、退職後1年間において受給できます。この失業給付を受給しようとする場合、失業給付が優先されて、60歳台前半の老齢厚生年金は、全額支給停止となります。
●基本手当の日額の計算式
基本手当の日額 = 賃金日額 × ( 45% 〜 80% )
賃金日額 = (賞与を除く退職直前6ヵ月間の賃金総額)÷ 180
在職老齢年金は、60歳以降も在職して厚生年金の被保険者になっている人が受け取れる老齢厚生年金です。年金額と月給・賞与に応じて年金額は減額され、場合によっては全額支給停止となります。60歳から65歳になるまでと、65歳以降とでは計算の仕組みが違います。なお、失業給付(基本手当)を受給して全額支給停止される以外にも、雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整が行われます。具体的には、高年齢雇用継続基本給付金や高年齢再就職給付金を受給する場合、在職老齢年金は、さらに月給(標準報酬月額)の6%を限度として減額される仕組みです。
・基本月額と総報酬月額相当額の合計が28万円を超えた場合に、年金額が減額されます。
※「基本月額」とは加給年金を除く、老齢厚生年金(年額)を12で割った額です。
※「総報酬月額相当額」とは、月給(標準報酬月額)に、直近1年間の賞与を12で割った額を足した額です。
・「老齢基礎年金」は支給停止されず、全額支給されます。
・「老齢厚生年金の年金月額(加給年金を除く)」と「総報酬月額相当額」の合計額が48万円以下の場合は、老齢厚生年金は全額支給されます。48万円を超える場合は、48万円を超えた額の1/2の年金が支給停止になります。
※平成14年3月までに65歳からの老齢厚生年金の受給権が発生した人には、年金は全額支給されます。
※平成19年3月までに70歳からの老齢厚生年金の受給権が発生した人には、70歳以降の年金は全額支給されます。
※老齢厚生年金が全額支給停止になる場合以外は、加給年金は全額加算されます。
遺族年金には遺族基礎年金、遺族厚生年金、遺族共済年金の3つがありますどの遺族年金を受け取れるかは、亡<なった人の職業によって違います。また、遺族年金をもらえる遺族の範囲も年金の種類により異なります。
●自営業世帯(国民年金)
<遺族年金の対象者>
自営業など、国民年金に加入している人に生計を維持されていた遺族。
・子供のいる妻。
・子供。
※子供のいない妻はもらえません。子供がいる場合も、全員が18歳の年度末を過ぎる(高校を卒業する)とともらえなくなります。
<もらえる年金>
遺族基礎年金。
<年金の受け取りケース>
・遺族となった妻に子供(18歳到達年度の末日までにある子供をいう、以下同様)がいれば受け取れますが、子供がいなければ受け取れません。
<こどものいる妻>
・子供2人の期間 → 年額1,247,900円。
・子供1人の期間 → 年額1,020,000円。
<こどものいない妻>
・妻が40歳未満の期間 → なし。
・妻が40〜64歳の期間 → なし。
・妻が65歳以降の期間 → 年額792,100円 (老齢基礎年金)。
●会社員世帯(厚生年金)
<遺族年金の対象者>
会社員など、厚生年金に加入している人に生計を維持されていた遺族。
・妻、夫、子供。
・父母。
・孫。
・祖父母。
※子供のいない妻ももらえます。妻を除いて年齢条件があります。
<もらえる年金>
遺族基礎年金、遺族厚生年金。
<年金の受け取りケース>
・遺族基礎年金の受給可否は自営業世帯と同じです。
・遺族厚生年金は、子供の有無に関係なく、妻は一生涯受け取ることができます。(ただし、子供のいない30歳未満の妻は5年間の有期年金)
<こどものいる妻>
・子供2人の期間 → 年額1,847,700円(遺族基礎年金を含む)。
・子供1人の期間 → 年額1,619,800円(遺族基礎年金を含む)。
※子供が全員18歳到達年度の末日を迎えた妻は、子供のいない妻と同様の扱いになります。
<こどものいない妻>
・妻が40歳未満の期間 → 年額599,800円。
・妻が40〜64歳の期間 → 年額1,194,000円(中高齢寡婦加算を含む)。
・妻が65歳以降の期間 → 年額1,391,900円(妻の老齢基礎年金を含む)。
●公務員世帯(共済年金)
<遺族年金の対象者>
公務員など共済年金に加入している人に生計を維持されていた遺族。
・妻、夫、子供。
・父母。
・孫。
・祖父母。
※子供のいない妻ももらえます。妻を除いて年齢条件があります。
<もらえる年金>
遺族基礎年金、遺族共済年金。
<年金の受け取りケース>
・厚生年金の場合と同様だが、遺族共済年金は職域年金相当分の4分の3が加算されるため、遺族厚生年金よりおよそ2割程度年金額が多くなります。
<こどものいる妻>
・子供2人の期間 →年額1,967,700円(遺族基礎年金を含む)。
・子供1人の期間 → 年額1,739,800円(遺族基礎年金を含む)。
※子供が全員18歳到達年度の末日を迎えた妻は、子供のいない妻と同様の扱いになります。
<こどものいない妻>
・妻が40歳未満の期間 → 年額719,800円。
・妻が40〜64歳の期間 → 年額1,314,000円(中高齢寡婦加算を含む)。
・妻が65歳以降の期間 → 年額1,511,900円(妻の老齢基礎年金を含む)。
※子供は18歳到達年度の末日までの子供の他に、20歳未満で1級・2級の障害状態にある子供も含む
※計算条件
1.死亡したサラリーマン(公務員)の央の平均標準報酬月額は35万円、加入期間を25年(300月)として計算しています。
2・平成15年4月以降は総報酬制の適用を受けるますが、賞与総額が全月給の30%として計算しえいます。
3.妻は40年間国民年金に加入し、老齢基礎年金を満額受給するものとして計算しています。
4.経過的寡婦加算は含んでいません。
・遺族基礁年金の金額は定額です。 墓本額 792,100円。
・加算額は、子供がいると加算がつきます。
2人まで → 1人につき 227,900円。
3人目以降 → 1人につき 75,900円。
遺族厚生年金の計算式。
A=加入月数(H15.3以前)
B=加入月数(H15.4以降)
{ 平均標準報酬月額 × (7.5/1000)× A + 平均標準報酬額 × (5.796/1000) ×B } × 1.031 × 0.985 × (3/4)
・遺族共済年金には、職域年金相当分の4分の3が加算されます。
・加入月数が300月に満たないときは300月で計算されます
・昭和21年4月1日以前生まれの人が亡くなり、加入期間が300月以上の場合、(7.5/1000)、(5.796/1000)の乗率は別の乗率になります。
妻が遺族厚生(共済)年金を受け取る場合、子供の有無などで受給期間が違います。また、遺族基礎年金の子供の加算とは別の加算がつくことがあります。
●こどものいない妻
・夫の死亡時に妻が30歳未満の場合、遺族厚生年金は5年間の有期年金です。
・夫の死亡時に妻が30歳〜39歳の場合、遺族厚生年金を一生涯受け取れます。
・夫の死亡時に妻が40歳以上の場合、一生涯の遺族厚生年金を受け取れます。その年金額には、夫の死亡時〜64歳まで、中高齢寡婦加算が、65歳以降は経過的寡婦加算がつきます。
●こどものいる妻
・末の子の18歳到達年度の末日まで、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受け取れます。
・末の子の18歳到達年度の末日を迎えると、妻は遺族基礎年金を受け取れません。このとき妻が40歳以上であれば、64歳まで中高齢寡婦加算が、65歳以降は、経過的寡婦加算が遺族厚生年金につきます。
・公務員世帯の場合もこれと同じの仕組みです。
(参考:中高齢寡婦加算)
・遺族基礎年金を受け取れない一定の妻の遺族厚生年金につく加算です。
・金額は一律594,200円。
・妻が65歳になると、妻の老齢基礎年金が始まるので、この加算は64歳で終了します。
(参考:経過的寡婦加算)
・妻の老齢基礎年金が始まっても、カラ期間により少なく、65歳前よりも年金額が減るのを防ぐための加算です。65歳以降、一生涯加算されます。
・昭和31年4月1日以前生まれの妻に加算されます。
・加算額は妻の生年月日によります。
(参考:遺族年金の支給要件)
遺族年金は、生計を維持されていた遺族に支給されますが、「生計を維持されていた」と認められるためには、遺族の年収が850万円未満であることが必要です。
個人年金の加入目的は一般的に「老後の生活資金の準備」です。個人年金には、いろんな種類があります。個人年金の種類や内容などをよく理解し、ご自身あった商品を選んでください。
個人年金は、「保険型」と「貯蓄型」の2種類で、「保険型」には、「個人年金保険」と「変額個人年金保険」があります。
●個人年金
保険型
・個人年金保険
・変額個人年金保険
貯蓄型(年金型の貯金など)
※保険型は、生命保険会社のほか、損害保険会社やJA(農協)などで取り扱っています。貯蓄型は、銀行、信託銀行などで取り扱っています。
●生命保険会社が取り扱っている商品
生命保険会社では、「個人年金保険」と「変態個人年金保険」を取り扱っています。
・「個人年金保険」は、契約時に定めた年齢から所定の年金額を受け取れる商品です。
・「変額個人年金保険」は、株式や債券を中心に資産を運用し、その運用実績によって年金額などが増減する商品です。
●他の金融機関による生命保険商品の窓口販売
銀行や証券会社などでも生命保険会社の「個人年金保険」や「変額個人年金保険」の販売が行われています。銀行などでは、保険の契約を申し込む人と、生命保険会社との間をとりもつ役割を担い、実際に契約を引き受けるのは生命保険会社です。つまり、加入者は生命保険会社と保険契約を結ぶのであり、銀行や証券会社の貯蓄型商品を利用するのではありません。
(参考:現在、準備されている個人年金 割合の多い順)
1.生命保険会社の個人年金保険・変額個人年金保険 → 68.9%
2.郵便局の年金保険 → 19.9%
3.JA(農協)の年金共済 → 9.4%
4.損害保険会社の個人年金 → 7.0%
5.全労済のねんきん共済 → 4.8%
6.その他 → 3.0%
※平成18年度「生命保険に関する全国実態調査」生命保険文化センター
個人年金保険、変額個人年金保険の「年金の受取期間」は、
・一生涯受け取る(終身年金、保証期間付終身年金)公的年金や企業年金の不足を補う上乗せ資金
・一定期間受け取る(確定年金、有期年金、保証期間付有期年金)公的年金の支給開始までのつなぎ資金などがあります。
【個人年金保険の種類】
一生涯、年金を受け取る
●終身年金、保証期間付終身年金
年金開始後、生存している限り年金を受け取れます。年金開始後の一定期間(10年・15年など)は、死亡しても年金の支払いを保証する保証期間付終身年金が一般的です。
一定期間、年金を受取る
●確定年金
年金開始後、生死にかかわらず一定期間(10年・15年など)年金を受け取れます。
●有期年金、保証期間付有機年金
年金開始後、生存していることを条件に一定期間(10年・15年など)年金を受け取れます。年金開始後の一定期間(5年など)は死亡しても、年金の支払いを保証する保証期間付有期年金もあります。
【変額個人年金保険の種類】
●保証期間付終身年金、確定年金など受取期間の仕組みについては、個人年金保険と同じです。
【その他の年金種類】
●夫婦年金
夫婦のいずれかが生存している限り年金を受け取れます。
●介護(割増)年金
一般的には、所定の要介護状態になった場合、保証期間付終身年金に上乗せして、割増の年金を受け取れるものです。
※夫婦年金・介護(割増)年金は、契約時に選んだ年金種類(確定年金や保証期間付終身年金など)から、年金受取開始時に変更するのが一般的です。
契約者は、年金受取開始時に、契約当初に選んだ年金種類を変更することが可能です。(保証期間付)終身年金、確定年金、(保証期間付)有期年金、夫婦年金、介護(割増)年金など、生命保険会社の取扱範囲の中から選択して変更することができます。変更後の年金額は、年金受取開始時の基礎率(予定利率、予定死亡率等)を用いて計算されるのが一般的です。変更できる年金の種類や型(定額型や逓増型)があらかじめ決められていたり、変更できない場合もありますので、各生命保険会社に確認してください。
個人年金保険や変額個人年金保険を契約する時には、契約者、被保険者、年金受取人、死亡給付金受取人を決めます。契約者と年金受取人が誰なのかによって、年金受取時の課税対象となる税金の種類が違います。
(契約者)
生命保険会社と保険契約を結び、契約上のさまざまな権利(契約内容変更などの請求権)と義務(保険料支払義務)を持つ人です。
(被保険者)
保険の対象となっている人です。例えば終身年金や保証期間付終身年金の場合、被保険者が生存している限り年金を受け取れます。
(年金受取人)
年金を受け取る人です。年金受取人は契約者が指定します。
(死亡給付金受取人)
年金受取開始前に被保険者が死亡した場合、死亡給付金を受け取る人です。死亡給付金受取人は契約者が指定します。
(基本年金)
契約時に定めた年齢から受け取れる所定額の年金です。
(増額年金)
金受取開始時点までの積立配当金によって買い増しされる年金部分です。運用の結果などで配当率が変動すると、増額年金の額も変動します。
(増加年金)
年金受取開始後の配当金によって買い増しされる年金部分です。配当率が変動すると増加年金の額も変動します。
(積立配当金)
予定より運用成果がよかった場合など、予定と実際との差によって剰余金が生じることがあります。その剰余金の還元として、契約者に分配されるお金のことを配当金といいます。年金の場合、配当金は積立にするのが一般的です。
(年金現価)
将来受け取る年金額を所定の率で割り引いて、現在の価格に計算しなおした金額。
(定額型)
基本年金額(契約年金額)が一定額の年金のことです。
(逓増型)
基本年金額(契約年金額)が毎年、あるいは数年毎に一定額ずつ(5%など)増えていくといった年金。
※増額年金や増加年金は配当金を原資にしているため、配当金がない場合は受け取れません。
個人年金保険の場合、死亡時点での払込保険料累計額に応じた死亡給付金を受け取れます。変額個人年金保険の場合、通常、死亡日の積立金額(払込保険料の総額を最低保証)になります。
個人年金保険の場合、契約後の経過年数に応じた解約返戻金を受け取れますが、多くの場合、払込保険料の総額を下回ります。経過年数が短いと、解約返戻金はまったくないか、あってもごくわずかになることがあります。変額個人年金保険の場合、運用実績などに応じた解約返戻金を受け取れます。解約返戻金には一般的に最低保証がなく、払込保険料の総額を下回って損失が生ずる場合があります。
※変額個人年金保険と同様、外貨建ての個人年金保険なども「投資性の強い生命保険」に該当し、これらの解約返戻金についても払込保険料の総額を下回って損失を生ずる場合があります。
「平均余命年数表」をみると男性60歳時の平均余命は約22年、女性は約28年です。 60歳の男性は、平均82歳まで、女性は平均88歳まで生きることになります。長期にわたる老後を見通して、生活資金の準備はきちんとしておきたいものです。個人年金に加入するときは、右記のようなポイントを検討しましょう。
(参考:平均余命年数表 単位:年)
30歳 男性:49.83歳、女性:56.41歳
40歳 男性:40.25歳、女性:46.66歳
50歳 男性:31.00歳、女性:37.12歳
60歳 男性:22.41歳、女性:27.92歳
70歳 男性:14.69歳、女性:19.12歳
※平成18年簡易生命表
●基本的な年金額などが一定のものと変動するものとどちらにするのか
●どのような年金の種類・型にするのか
●誰を被保険者にするのか
●誰が年金を受け取るのか
●何歳から何年間、年金を受け取るのか
●保険料の払込期間・払込方法(分割払・一時払)をどうするのか
●無理なく継続することができるか
生命保険はクーリング・オフ制度により契約の申し込みを撤回することができ、保険料は返金されます。クーリング・オフができる期間は一般的に、「クーリング・オフに関する書面を受け取った日、もしくは申込日のいずれか遅い日からその日を含めて8日以内」となっています。9日以上の期間を設けている生命保険会社もありますし、生命保険会社のにでは、「申込日からその日を含めて8日以内」などの取り扱いもあります。 生命保険会社が指定した医師の診査が終了した場合などには、クーリング・オフ制度による申し込みの撤回ができません。クーリング・オフの取り扱いは、各生命保険会社や保険商品によって違いがあります。
実際に生命保険を契約する際には、
・商品内容を理解するために必要な事項を記載した「契約概要」
・契約にあたって特に注意すべき事項を記載した「注意喚起情報」
約款の重要な事項・諸手続きなどを、解説した「ご契約のしおり」などで、きちんと確認してください。
生命保険会社は、変額個人年金保険などの「投資性の強い生命保険」を勧める場合、消費者の知識や経験、財産、契約締結の目的を確認したうえで、これらに適合するものを販売・勧誘することになっています。販売・勧誘にあたっては、契約締結前交付書面(「契約概要」「注意喚起情報」など)に、損失が生ずるおそれがあることやその理由、諸費用に関することなどを記載して、交付・説明することが義務づけられています。
生きている限り、年金を一生涯受け取れます。死亡すると、その時点で年金は終了します。但し、保証期間内の場合、残りの保証期間の年金を遺族に一括で支払うか、保証期間中遺族に年金を支払います。
年金の受取期間が10年間など、一定期間受け取れます。5年確定年金や15年確定年金などがあります。年金受取期間中に被保険者が死亡した場合、残りの期間の年金を遺族に一括で支払うか、あらかじめ定めた期間中遺族に年金を支払います。
確定年金と同じく、年金の受取期間は10年間など一定です。確定年金は受取期間中の生死にかかわらず必ず年金を受け取れるますが、有期年金は、生きている場合に年金を受け取れます。死亡すると、その時点で年金は終了しますが、保証期間内の場合、残りの保証期間の年金を遺族に一括で支払うか、保証期間中遺族に年金を支払います。10年確定年金よりも保険料の負担が軽くなります。10年確定年金と同じ保険料だった場合、年金額は多くなります。
夫婦年金は、夫と妻のいずれか一方が生きている限り年金を受け取ることができますので、夫婦どちらが先に亡くなっても、確実に老後の生活資金を確保できます。
預貯金や退職金などを利用して、保険料を一時払します。3年〜10年程度据え置き、希望する年齢から年金を開始する仕組みです。据置期間が長いほど、運用期間が長くなりますので、年金額が多くなります。
保険料を一時払して、希望する年齢(10年以上据え置いた後の年齢とするものが多い)から年金が開始する仕組みです。資産運用の実績に応じて受け取る年金額が変動します。資産運用の実績によって、年金原資(将来年金を支払うための積立金)が払込保険料を下回ることもあります。
●変額個人年金保険の特徴
・年金額の最低保証
受取年金額は、運用実績に基づき、年金開始日前日の積立金(年金原資)によって決まります。年金原資に最低保証がないタイプと、運用実績に関係なく年金額(年金原資や受取総額)について最低保証のあるタイプがあります。
・死亡給付金の最低保証
年金開始前に被保険者が死亡した場合には、死亡給付金を受け取れます。死亡給付金額は通常「死亡日の積立金額で、払込保険料の総額を最低保証」という仕組みになっています。一部「死亡給付金額は定期的に見直され、運用実績によって一度増加すると下がらない」といったタイプや、「死亡日の積立金額プラスアルファで最低保証なし」といったタイプの商品もあります。
・その他
年金受取期間は、保証期間付終身年金や確定年金が一般的です。保証期間付有期年金や夫婦年金を取り扱う生命保険会社もあります。保険料の払込方法は、一時払や月払、半年払、年払などのがあります。(保険料は保険料払込期間中一定です)配当金のあるもの(有配当保険)と、配当金のないもの(無配当保険)があります。
変額個人年金保険の据置期間(保険料払込期間中)は、個人年金保険の資産とは区別して、変額個人年金保険の特別勘定で資産運用が行われます。
運用対象の異なる複数の特別勘定のなかから契約者が選択します。特別勘定の数は、生命保険会社・商品ごとに異なり、契約者が選択できないものもあります。特別勘定を選択できるタイプの場合、契約後も一定の範囲内で特別勘定の変更や、生命保険会社によっては各特別勘定に繰り入れる資金の割合の指定や変更ができます。
※特別勘定(ファンド)の数や種類、運用方針等は、生命保険会社・商品ごとに違いがあります。
・ファンドは、日本橋式型、日本債券型、世界株式型、世界債券型など複数のなかから選択します。
・ファンドの種類や運用方針等は、生命保険会社・商品ごとに違います。
・ファンドの選択ができない場合もあります。
・ファンド間の資金を移動(スイッチング)するときに、手数料がかかる場合があります。
・一般的には、年金受取開始後の積立金は、一般勘定に移ります。この場合、毎年受け取る年金額は年金受取開始時に確定し、変動することはありません。
・年金受取開始後も特別勘定で運用するものもあります。毎年受け取る年金額は、資産運用の実績により増減するために確定せず、変動することになります。
ファンドの分配金の受取時や、ファンド間の資金を移動(スイッチング)するときには源泉課税されません。年金受取時や解約時まで課税が繰り延べられ、全額再投資されるので、長期の運用では複利の運用効果が得られます。
契約者と被保険者が同一人で、死亡給付金受取人がその法定相続人であれば、個人年金保険と同様に、死亡給付金のうち一定の金額(500万円 × 法定相続人数 )が生命保険金の非課税金額となります。
払込保険料は、払い込んだ年の一般の生命保険料控除の対象となり、個人年金保険料控除の対象にはなりません。
●変額個人年金保険
(特徴)
株式や債券を中心とする「特別勘定」で資産を運用し、その運用実績によって年金や解約返戻金が増減する個人年金保険です。
(市場リスクに関する注意点)
「特別勘定」の資産は、国内外の株式・債券等で運用しており、運用実績が積立金額・将来の年金額などの増減につながるため、株価や債券価格の下落、為替の変動により、積立金額、解約返戻金額は払込保険料の総額を下回ることがあり、損失を生ずるおそれがあります。
●外個貨人建年て金の保険
(特徴)
保険料の払い込みや年金等の受け取りを、外貨建てで行う仕組みを取り入れた個人年金保険です。
(市場リスクに関する注意点)
為替レートの変動により、受け取る円換算後の基本年金額が契約時における円換算後の基本年金額を下回ることや、円換算後の受取年金総額等が払込保険料の総額を下回ることがあり、損失を生ずるおそれがあります。
●市場価格調整を利用した個人年金保険
(特徴)
市場価格調整により解約返戻金が変動する仕組みを取り入れた個人年金保険です。一般的に、中途解約時に、積立金額に所定の「市場価格調整率」を用いて、解約時点の運用資産(債券等)の価値を解約返戻金に反映(控除・加算)します。
(市場リスクに関する注意点)
市場金利に応じた運用資産の価格変動が解約返戻金に反映されるため、市場金利の変動により、解約返戻金が払込保険料の総額を下回ることがあり、損失を生ずるおそれがあります。具体的には、中途解約時の市場金利が契約時と比較して上昇した場合には、解約返戻金は滅少し、逆に、下落した場合には増加することがあります。
●保険契約関係費
契約時の初期費用や、据置期間中(保険料払込期間中)・年金受取期間中の費用等、契約の締結・維持・管理に必要な経費です。
●資産運用関係費
投資信託の信託報酬や、信託事務の諸費用等、特別勘定の運用により発生する費用です。
●解約控除
契約日から一定期間内の解約の場合に特別勘定から控除される金額です。(解約時のみ発生します)。
※リスクの内容や、負担する諸費用やその料率は、商品によって違います。
契約者(保険料負担者)と年金受取人が同一の方の場合、毎年受け取る年金は雑所得として所得税・住民税の課税対象になります。税金は受け取った年金額から必要経費(年金額に対する払込保険料)を差し引いた部分にかかります。受け取った年金額全体にかかるものではありません。
雑所得の計算(定額型年金の場合)
雑所得の金額 =(ア)総収入金額 −(イ)必要経費
(ア)総収入金額 = 基本年金 + 増額年金 + 年金受取開始後の配当金による増加年金
※1年目の総収入金額は、基本年金+増額年金ですが、2年目以降は、年金受取開始後の配当金による増加年金の額があれば加算します。
(イ)必要経費 = 年金年額(基本年金 + 増額年金)×(払込保険料の合計額 ÷ 年金の総支給見込額)
※払込保険料の合計額 ÷ 年金の総支給見込額は、小数点第3位以下切り上げ
※必要経費は、毎年同額
※「年金の総支給見込額」は、年金の種類によって違います。
●確定年金の場合:年金年額 × 支給期間
●終身年金の場合:年金年額 × 余命年数
●保証期間付終身年金の場合:年金年額 ×(余命年数と保証期間年数とのいずれか長い年数)
●有期年金の場合:年金年額 × (支給期間と余命年数のいずれか短い年数)
(参考:年金の支給開始日における年齢別余命年数)
●年齢:55歳 男:23年 女:27年
●年齢:60歳 男:19年 女:23年
●年齢:61歳 男:18年 女:22年
●年齢:62歳 男:17年 女:21年
●年齢:63歳 男:17年 女:20年
●年齢:64歳 男:16年 女:19年
●年齢:65歳 男:15年 女:18年
●年齢:70歳 男:12年 女:14年
※所得税法施行令82の3
●雑所得は単独で課税されるのではなく、その年の他の所得(給与所得や事業所得など)と合わせて計算(総合課税)しますので、確定申告が必要となります。雑所得 + その他の所得 − 所得控除額(基礎控除など) = 課税所得金額
●また、個人年金保険については、受け取った年金額から必要経費として計算した金額を差し引いた金額が25万円以上のときには、その金額の10%が所得税として源泉徴収されます。源泉徴収された金額は確定申告で精算することになります。
契約者(保険料負担者)と年金受取人が異なる場合は、契約者から年金受取人に対して、年金を受け取る権利が贈与されたとみなされて、年金開始時点で「年金受給権の権利評価額」が贈与税の課税対象となります。さらに、毎年受け取る年金は雑所得として、所得税・住民税の課税対象となります。
(参考:贈与税がかかる場合の例)
契約者(保険料負担者):夫、被保険者:妻、年金受取人:妻
権利評価額の計算は、年金の種類によって異なります。
年金年額(基本年金 + 増額年金)× 残存期間 × 確定年金の場合の評価割合 = 評価額
A:保障期間の権利評価額
B:終身年金の権利評価額
※AかBのいずれか高いほうの金額
A:年金年額(基本年金 + 増額年金 )× 保証期間の残存期間 × 確定年金の場合の評価割合 = 評価額
B:年金年額(基本年金 + 増額年金) × 終身年金の場合の評価倍率 = 評価額
A:確定年金の権利評価額
B:終身年金の権利評価額
※AかBのいずれか低いほうの金額
(参考:確定年金の場合の評価割合)
●残存期間 5年以下 の場合 → 年金総額の70%
●残存期間 5年超〜10年以下 の場合 → 年金総額の60%
●残存期間 10年超〜15年以下 の場合 → 年金総額の50%
●残存期間 15年超〜25年以下 の場合 → 年金総額の40%
●残存期間 25年超〜35年以下 の場合 → 年金総額の30%
●残存期間 35年超 の場合 → 年金総額の20%
(参考:終身年金の場合の評価倍率)
●権利取得時の年齢 25歳以下の場合 → 年間支給額の11倍
●権利取得時の年齢 25歳超〜40歳以下の場合 → 年間支給額の8倍
●権利取得時の年齢 40歳超〜50歳以下の場合 → 年間支給額の6倍
●権利取得時の年齢 50歳超〜60歳以下の場合 → 年間支給額の4倍
●権利取得時の年齢 60歳超〜70歳以下の場合 → 年間支給額の2倍
●権利取得時の年齢 70歳超の場合 → 年間支給額の1倍
例えば、契約者(保険料負担者):夫、被保険者・年金受取人:妻、
60歳年金受取開始、10年確定年金、基本年金額100万円、増額年金5万円の場合、年金開始時には、91万円の贈与税がかかります。
年金年額(基本年金 + 増額年金)× 残存期間 × 確定年金の場合の評価割合 = 評価額
(100万円 + 5万円 )× 10年 × 60% = 630万円
(贈与とみなされる金額 − 基礎控除) × 税率 − 速算控除額 = 贈与税額
(630万円 − 110万円) × 30% − 65万円 = 91万円
※個人年金保険の保険料払込期間中は、「個人年金保険料控除」や「一般の生命保険料控除」により、所得税や住民税の負担が軽減されます。
公的年金は、ご自身で請求しなければ受け取れません。退職時に厚生年金に加入していた場合、手続きは勤務先を管轄する社会保険事務所で行います。具体的には、年金手帳、戸籍謄本、配偶者の源泉徴収票または非課税証明書等を裁定請求書とともに提出します。その後2〜3ヵ月経つと、裁定通知書と年金証書が郵送されます。年金は60歳の誕生月の翌月分(誕生日が1日の人は当月分)から支給されます。毎回、偶数月の15日に、前2ヵ月分の年金が支給されます。 60歳を過ぎて受給権があるのに請求し忘れた場合、 5年間は遡って年金を受け取ることができます。請求もれに気づいたら、すぐに裁定請求の手続きをとってください。なお、年金加入記録の訂正による年金の増額分は、5年間の時効の適用はありません。
年金水準の引下げの5%削減とは、老齢厚生年金の水準を95%相当にすることです。しかし現実に支給される年金額が5%削減されるということではなく、年金額の将来への伸びを5%抑制するという意味です。老齢厚生年金の計算項目には、生年月日によって定まる乗率がありますが、この乗率1000分の7.5を、1000分の7.125とすることで、削減が行われます。ただし、実際の年金支給額が下がらないようにするために、新しい計算による年金額が、今までの物価スライドを含む計算と比較して低い場合は、今までの式による年金を支給します。これを従前額保障といいます。
物価の変動に合わせて、年金額を見直す仕組みを物価スライド制といいます。国民年金や厚生年金は、年平均の消費者物価指数の変動に合わせて、毎年見直しを行っています。消費者物価指数は、ここ数年連続して下落していましたが、平成12〜14年度の年金額は特例措置によって合計1.7%に相当する分が減額改定されず、据え置かれていました。平成18年の年平均の物価指数は0.3%上昇しましたが、上記の1.7%の差額が解消されるまでは増額改定されず、平成19年度のスライド率は平成18年度と同じ0.985となります。
老齢基礎年金は、原則として65歳から支給されますが、請求すれば、繰上げ支給の老齢基礎年金を、60〜65歳になるまでの間に受け始めることができます。ただし、減額率があり、一度決められた減額率は、一生変更することができません。
●昭和16年4月2日以降生まれの人
月単位の詰求時の年齢に応じて、減額率が計算されます。
減額率 = 0.5% × 繰上げ請求月から65歳になる月の前月までの月数
請求時の年齢:60歳0力月〜60歳11ヵ月 → 減額率:30%〜24.5%
請求時の年齢:61歳0力月〜61歳11ヵ月 → 減額率:24%〜18.5%
請求時の年齢:62歳0力月〜62歳11ヵ月 → 減額率:18%〜12.5%
請求時の年齢:63歳0力月〜63歳11ヵ月 → 減額率:12%〜6.5%
請求時の年齢:64歳0力月〜64歳11ヵ月 → 減額率:6%〜0.5%
厚生年金加入者の場合、繰上げ支給には老齢基礎年金の全部繰上げと一部繰上げがあります。全部繰上げは60歳台前半に請求できるもので、老齢基礎年金が減額されます。昭和16年4月2日〜24年4月1日(女性は16年4月2日〜29年4月1日)生まれの場合、特別支給の老齢厚生年金のうち定額部分(経過的加算部分を除く)が全額支給停止になります。一部繰上げの対象になるのは、昭和16年4月2日〜24年4月1日生まれ(女性は5年遅れ)の人です。 60歳以降、定額部分の支給開始年齢になる前に、一部繰上げを請求できます。例えば、定額部分が64歳から1年間支給される人の場合、 60歳で一部繰上げをすると、定額部分の年金額は5分の1に調整されます。(1年の支給期間が5年に仲びるので、支給総額は繰上げない場合と基本的に同じです)また、調整された定額部分とあわせて、老齢基礎年金の一部が、繰上げ支給になります。なお、報酬比例部分は60歳から、加給年金は64歳から本来どおり支給され、さらに65歳からは老齢基礎年金の繰上げ対象外の部分と経過的加算も支給されます。一部繰上げは、厚生年金の加入期間が比較的長い人に向いています。一部繰上げを選択できる人は、全部繰上げとどちらが適しているか考える必要があります。
繰上げ支給とは反対に、66歳になるまで老齢基礎年金を請求しなかった人が、 66歳以降に申し出をすれば、増額された繰下げ支給の老齢基礎年金が支給されます。また、繰上げ支給と同様に一度決められた加算率は、一生変更することができません。
●昭和16年4月2日以降生まれの人
月単位の申し出時の年齢に応じて、加算率が計算されます。
加算率 = 0.7% × 65歳になった月から申し出月の前月までの月数
申し出時の年齢:66歳0力月〜66歳11ヵ月 → 加算率:8.4%〜16.1%
申し出時の年齢:67歳0力月〜67歳11ヵ月 → 加算率: 16.8%〜24.5%
申し出時の年齢:68歳0力月〜68歳11ヵ月 → 加算率: 25.2%〜32.9%
申し出時の年齢:69歳0力月〜69歳11ヵ月 → 加算率: 33.6%〜41.3%
申し出時の年齢:70歳0力月〜 → 加算率:42.0%
平成19年4月から、65歳からの老齢厚生年金を繰下げて受け取れるようになりました。
平成19年4月以降に、老齢厚生年金の受給権を得た人が対象で、 66歳になる前に老齢厚生年金を請求しなかった人が、66歳以降に申し出をすれば、加算率によって増額された繰下げ支給の老齢厚生年金を受け取れます。加算率は、繰下げ支給の老齢基礎年金の加算率と同じです。なお、60歳台前半の部分年金や特別支給の老齢厚生年金は繰下げの対象外です。
病気やけがで障害状態になったときに支給される年金で、国民年金では障害基礎年金、厚生年金では障害厚生年金といいます。障害状態が障害基礎年金では1級か2級にあること、障害厚生年金では1級〜3級にあること、保険料納付要件を満たすことが、一般的な支給要件です。障害認定日は、病気やけがにより病院で診察を受けた初診日から1年6ヵ月経った日か、その前に治ゆすれば、治ゆ日です。支給される年金額は、等級などで異なります。障害基礎年金の1級は990、100円、2級は792、100円で、子供の人数に応じた加算があります。2級と3級の障害厚生年金の年金額は、老齢厚生年金の報酬比例部分が基準で、 1級の年金額はその1.25倍です。障害認定当時までで計算する被保険者期間が短いと、300月で計算する仕組みです。 1級と2級には障害基礎年金が併せて支給されるのに加え、配偶者加給年金の加算もあります。一方、3級は障害厚生年金単独での支給ですので、年金額が低額にならないよう594、200円の最低保障があります。なお、障害年金を受給しながら厚生年金に加入する人には、国民年金のような保険料免除がなく、保険料の支払い実績は将来の老齢厚生年金額に反映します。平成18年4月からは障害を持ちながら働いた実績が年金に結びつくよう、従来不可能だった「障害基礎年金+老齢厚生年金」、「障害基礎年金+遺族厚生年金」などの組み合わせ受給が、65歳以降はできるようになりました。
遺族厚生年金は、老齢厚生年金の4分の3相当額であり、平均標準報酬月額と加入期間に比例します。ところが加入期間が短いと年金額が少なくなってしまうので、 300月に満たない場合は、300月で計算されます。これを短期要件の年金額といいます。平成15年4月から、総報酬制が導入されたことによって、老齢厚生年金の計算式が変わりましたが、この短期要件の遺族厚生年金の式も変わりました。まず、総報酬制の導入前と後の実月数で、それぞれの年金額を計算します。その両方の金額を合算したものに「300÷全実加入月数」と「スライド率」を乗じた額の 4分の3 が、短期要件の年金額となります。
遺族厚生年金額 = (総報酬制導入前の期間分 + 総報酬制導入後の期間分) × (300 ÷ 全実加入月数)× 1.031 × 0.985 ×(3 ÷ 4)
1人のひとが、老齢年金と遺族年金の2つの受給権を得たときは、どちらかを選択するのが原則す。しかし特例として、妻が自らの老齢基礎年金と、夫の遺族厚生年金を組み合わせて受け取ることができます。女性が厚生年金に加入していた場合に、65歳以降のことを考えてみると、その女性は自らの老齢厚生年金と、夫の遺族厚生年金の受給権が発生します。
したがって、
「自らの老齢基礎年金+自らの老齢厚生年金」(A)と
「自らの老齢基礎年金+遺族厚生年金」(B)の
いずれかが考えられます。
また、特例として
「自らの老齢基礎年金 + 老齢厚生年金の2分の1 十 遺族厚生年金の3分の2」(C)
の組み合わせる受け取り方もあり、
(A)(B)(C)の3つのうちから、いずれか高額な1つが支給されます。
※平成19年3月以前に支給理由が発生したときは、妻がいずれか1つを選択することになっていました。
(A)老齢厚生年金 (全額)
(B)遺族厚生年金 (全額) → 夫の老齢構成年金の4分の3
(C)老齢厚生年金(2分の1) + 遺族厚生年金(3分の2)夫の老齢厚生年金の2分の1
(A)か(B)か(C)+ 妻の老齢基礎年金
平成19年4月からは、妻白身が納めた保険料をできるだけ年金額に反映させるために、妻が自分の老齢厚生年金を全額受給したうえで、(B)や(C)で計算された金額との差額を遺族厚生年金として受け取る仕組みになっています。
国民年金が支給する遺族基礎年金を受け取れる遺族は、子供のいる妻、または子供と定められています。したがって、夫が遺族基礎年金を受け取ることはできません。このようなケースでは、自営業世帯の妻などが支払っていた国民年金保険料が掛け捨てになってしまうので、要件を満たせば死亡一時金が支給されます。一方、厚生年金から支給される遺族厚生年金は、夫も受け取れます。
しかし、夫の年齢要件があって、
・妻の死亡時に55歳以上であること、
・妻に生計を維持されていたこと、
などの要件を満たさなければなりません。
さらに、この要件を満たしていても、年金を実際に受け取れるのは60歳からです。夫が60歳になって自分の老齢厚生年金を受け取れる場合、遺族厚生年金と合わせてもらうことはできないため、いずれか一方の年金を受け取ることになります。妻の遺族厚生年金の方が、自分の老齢厚生年金よりも少額である場合が多いので、老齢厚生年金を選択する人が多いようです。したがって、妻が死亡した場合、遺族厚生年金の受給権は発生するものの、受け取らない場合が多いようです。
保険料を滞納していると、もらえない場合もあります。健全に年金制度を運用する面から、一定以上の保険料を納めていることが、受給の要件になっています。これを、保険料納付要件といいます。例えば、国民年金や厚生年金に加人中の死亡で、加人間間が短い場合、保険料納付要件を満たさなければなりません。次のいずれかを満たしていることが必要です。
・死亡した直近1年間に保険料の滞納がない。
・保険料を滞納した期間が、全体の加入期間の3分の1以上ない。
老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取っていた人や受給資格のある人は、この要件を満たす必要はありません。なお、国民年金や厚生年金の障害年金についても、障害の原因になった病気やけがによって初めて病院で診療を受けた当時の直近1年間に保険料の滞納がないか、滞納期間が全体の加入期間の3分の1以上ないことが一般的な受給の要件です。
自営業者などの老後保障を充実させるため、国民年金加入者向けの上乗せ年金として国民年金基金があります。
国民年金基金には、
・同一の都道府県に住所のある人で組織される「地域型国民年金基金」と、
・同種の事業または業務に従事する人で組織される「職能型国民年金基金」
の2種類があります。
ただし、同時に2つ以上の国民年金基金に加入することや、途中でやめることはできません。加入資格は、20歳から60歳までの自営業者とその妻などが対象で、国民年金の保険料免除者、農業者年金の加入者、サラリーマンの妻は加入できません。また、保険料の払い込みは国民年金と同様に60歳までで、年金は原則として65歳から支給されます。保険料は、地域型も職能型も同一で本人が選択でき、年金の給付の型、加人口数・加入時の年齢および男女別により異なります。なお、国民年金基金の保険料は国民年金の保険料と同様、全額が所得税・住民税の社会保険料控除の対象となります。
厚生年金基金とは、老齢厚生年金の報酬比例部分の一部を国にかわって支給する制度です。企業単位や同業種組合等で設立されています。報酬比例部分のうち、国は賃金水準の伸びや物価スライドによる額部分を支給し、基金はそれ以外の部分を支給します。厚生年金基金が支給するのを代行部分といいますが、代行部分はプラスアルファをつけて国が行う年金額よりも、手厚いものにするようになっています。基金加入者が老齢厚生年金を受けられるようになったとき、国と基金の両方から年金が支給されますが、計算はそれぞれ別個に行われます。社会保険事務所で計算する年金額は国が支給する部分のみですので、基金の計算書も取り寄せて合計しないと、正確な老齢厚生年金は確認できません。
生命保険には、現在契約している保険を下取りして、新しい保険に変えることのできる「転換制度」があります。この場合、保険料は転換時の年齢などで計算されますが、現在契約している保険の積立部分や配当金を転換後の保険料の一部に充当するので、その分だけ転換後の保険料の負担は軽くなります。また、長期継続した保険に支払われる特別配当の権利は新しい保険にも引き継がれます。
転換制度を利用できるのは、同じ会社の保険に限られ、
・契約してから一定期間を経過していること、
・満期まで一定期間を残している
などの条件があります。
転換に際しても、告知または医師の診査が必要です。ただし、転換できる保険種類は生命保険会社によって違いますので、年金への変更を希望しても、転換制度が利用できない場合もあります。
一般的に、契約者は被保険者の同意を得て、年金受取人を変更することができます。ただし、変更後の年金受取人は被保険者または契約者のうちから指定します。また、年金開始日前であれば、契約者は被保険者の同意および保険会社の承諾を得て契約者を変更することができます。なお、契約形態に応じて年金にかかる税金が違います。個人年金保険料税制適格特約を付加した場合、年金受取人の変更はできません。
終身保険は死亡保障が一生涯続く保険ですので、死亡保障面では有利ですが、最初から年金の受け取りを目的とするなら、個人年金保険のほうが受取額が多く有利です。当面の死亡保障と老後の年金の両方を目的とするなら終身保険、老後の年金だけに絞るなら個人年金保険を選択したほうがよいと思われます。
1.年金の減額年金額を減額することにより、それ以降の保険料負担が軽くなります。減額した部分は解約したものとして取り扱われますので、その部分に相当する解約返戻金(払戻金)が受け取れます。ただし、「個人年金保険料税制適格特約」を付加している契約については、減額時に払戻金は受け取れません。この場合、解約返戻金相当部分は、保険会社が積み立てておき、年金開始の際に年金額を増額します。なお、年金の受け取りが開始している場合は減額することはできません。また、減額する際に各種特約の保障額が同時に減額される場合もあります。
2.払済年金保険への変更
保険料の払い込みを中止して、その時点での解約返戻金をもとに年金受取期間をそのままにした、小型の年金に変更する方法です。各種特約がついている場合、その特約は消滅します。契約後の経過年数や解約返戻金の額によっては、払済年金保険に変更できない場合もあります。なお、「個人年金保険料税制適格特約」を付加した個人年金保険は、契約してから10年間は、払済年金保険に変更することができません。
※減額、払済年金保険への変更後、一定の期間内であれば変更前の契約に戻せる場合もあります。これを復旧といいます。復旧に際しては、告知または診査と復旧部分の積立金不足額の払い込みが必要です。生命保険会社によっては、所定の利息(複利)の払い込みも必要となります。
3.自動振替貸付制度
一時的に保険料の払い込みが困難な場合は、自動振替貸付という制度があります。 この制度は、保険料の払い込み猶予期間が過ぎたときに、生命保険会社が解約返戻金の範囲内で保険料を自動的に立て替え、契約を有効に継続させる制度です。立て替えられた保険料には、所定の利息(複利)がつきます。借りたお金は、全額または一部をいつでも返済することができます。
契約者貸付制度を利用できる場合があります。この制度は、契約している保険の解約返戻金の一定範囲内(例えば8割、9割など)でお金を借りることができる制度です。借りたお金には、所定の利息(複利)がつきます。返済は自動振替貸付と同様、いつでもできます。
※年金受取開始日の前日までに、自動振替貸付または契約者貸付の貸付金を返済しない場合は、年金を支払うために積み立てている部分(責任準備金)から、貸付金の元利金を差し引いて年金額を決めます。年金額が生命保険会社の定める額に満たない場合は、会社は一時金を支払い契約は消滅します。
確定年金の場合は、まだ受け取っていない残りの期間の年金を精算し、その年金現価を一括して受け取ることができます。その時点で契約は消滅します。保証期間付終身年金の場合は、保証期間内のまだ受け取っていない期間の年金現価のみ精算して一括受け取りできます。ただし、契約は消滅せず、保証期間経過後に被保険者が生存していれば再び年金受け取りが開始され、死亡するまで一生涯年金を受け取ることができます。保証期間のない終身年金は、一括受け取りも解約もできません。
利率変動型の個人年金保険があります。保険料を計算する際、 3つの予定率(予定死亡率、予定利率、予定事業費率)を用います。そのなかの予定利率は、生命保険会社が資産運用による一定の収益をあらかじめ見込んで、その分の保険料を割り引く割引率のことで、通常この利率は契約時に決められると途中で変更されることはありません。予定利率が高く設定されると保険料は安くなり、反対に低くなると保険料は高くなります。従来の商品は、3つの予定率と実際の率との差によって生じる損益を集計し、剰余が生じた場合、配当金として契約者に分配される仕組みになっています。個人年金保険の場合、配当金は積み立てられ、年金開始時に増額年金として受け取るのが一般的です。一方、利率変動型の個人年金保険は、契約後一定期間(5年など)ごとに、予定利率の見直しを行うことにより、年金額がその都度変更されます。適用される予定利率には最低保証が設けられており、この最低保証の予定利率より利率が高く設定されれば、年金額・解約返戻金額などが増えることになります。払い込む保険料は保険期間にわたって変わらず、無配当商品なので配当金はありません。
年金開始前に死亡した場合に、受け取れる死亡給付金を抑え、その分年金の受取額を多くした「生存保障重視型」の個人年金保険です。従来型では、年金開始前に死亡した場合、死亡時点での払込保険料の総額を上回る死亡給付金を受け取れますが、生存保障重視型は払込保険料相当額に抑えられます。保証期間付終身年金、確定年金、保証期間付有期年金のそれぞれに、生存保障重視型があります。なお、年金開始前に解約した場合は、契約後の経過年数に応じた解約返戻金を受け取れますが、経過年数によっては払込保険料の総額を下回ります。従来型では契約後一定期間を経過すると払込保険料の総額を上回りますが、生存保障重視型ではおおむね払込保険料の総額が上限となるため、従来型よりも少なくなります。
外貨建ての個人年金保険は、保険料をドルやユーロなどの外貨で運用する個人年金保険です。受け取る年金なども、基本的には外貨建てになります。保険料の払い込みは、一時払タイプが主流で、所定の据置期間の満了後に、年金ないし一時金で受け取ることができます。商品によっては海外の金利をもとに比較的高めの予定利率を設定しています。また、利率変動型個人年金保険を外貨建てとして取り扱う生命保険会社もあります。外貨建てのため為替リスクがあり、例えば外貨を円に交換する際に、為替差損益が生ずる可能性があります。また通常、円と外貨の交換を行う際は所定の為替手数料がかかります。被保険者が据置期間中に亡くなったときに受け取る死亡給付金は、通常、外貨での一時払保険料が最低保証されています。
生命保険や個人年金保険を契約していると、払い込んだ保険料の一定額がその年の所得から控除され、所得税と住民税の負担が軽減されます。「一般の生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」があり、それぞれ所得税で最高5万円、住民税で最高3万5千円を所得金額から差し引くことができます。個人年金保険の契約については、すべての個人年金保険が個人年金保険料控除の対象となるわけではなく、「個人年金保険料税制適格特約」を付加した契約に限られます。
この特約を付加するためには、
1.年金受取人が契約者または配偶者のいずれか
2.年金受取人は被保険者と同一人
3.保険料払込期間が10年以上(一時払は不可)
4.確定年金か有期年金の場合は、年金開始日における被保険者の年齢が60歳以上で、年金受取期間が10年以上あること
などの条件をすべて満たす必要があります。
なお、医療関係特約など特約部分の保険料や、税制適格特約を付加していない個人年金保険の保険料は「一般の生命保険料控除」の対象です。税制適格特約を付加した場合、「個人年金保険料控除」を受けられる反面、
・配当金が途中で引き出せない
・年金受取人を変更することができない
・税制適格特約だけをはずすことはできない
などいくつかの制限を受けることになります。
サラリーマンが給与天引きで加入できるもので、生命保険会社の財形年金は「財形年金積立保険」という商品です。仕組みは個人年金保険とよく似ています。ただし、勤務先が生命保険会社の財形を導入していなければ利用できません。生命保険会社の場合、払込保険料累計額385万円(かつ財形住宅とあわせて550万円)までは、利子などの差益が非課税となり、さらに年金受取開始後に受け取る年金も非課税となります。なお、年金受け取り以外の目的で引き出す場合は解約となり、課税対象となります。