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カテゴリ:基礎知識

民間介護保険について

基礎知識

生命保険会社の介護保険の概要

生命保険会社の介護保険の概要 公的介護保険を補完し、要介護状態になった場合のリスクに備える方法のひとつとして、生命保険会社の介護保険の利用があります。生命保険会社では、さまざまなタイプの介護保険が取り扱われています。自分や家族のニーズに合わせて上手に利用するためには、基本的な仕組みや内容を理解することが大切です。

所定の要介護状態になった時に、給付対象となります。

公的介護保険の給付は、要介護認定を受けた利用者が1割の利用料を支払うことで介護サービスそのものが 給付される「現物給付」ですが、生命保険会社の介護保険は「現金給付」です。保険契約に定める所定の要介護状態に該当すると、契約時に定めた金額を受取人が受け取ることになります。また、公的介護保険と異なり、生命保険会社の介護保険の場合は40織未満でも契約することができます。(何歳から介護保険を契約できるかは、生命保険会社によって異なります)公的介護保険のように、「65歳未満の人は、老化に伴う特定の病気で要介護状態になった場合に限り、給付を受けられる」というような、年齢制限もありません。
生命保険会社の介護保険には、3タイプの受け取り方があり、ニーズにあわせて、受取方法を決める必要があります。

受取方法

生命保険会社によって、取り扱うタイプが異なります。

●一時金(介護一時金)としてまとまった金額を受け取る
「一時金」は、自分が要介護状態になったことにより生ずる初期費用など、一時的にまとまった資金が必要になるような場合に備えることができます。
※ベッドなどの介護用品の購入(買い換え)、住宅や浴槽・手すりなど付属設備の改修、転居、有料老人ホームヘの入居など。
●年金(介護年金)として毎年受け取る
「年金」は、自分か要介護状態になったことにより、継続的に資金が必要になるような場合に備えることができます。
「年金」の受取期間は保険商品によって決まっており、保険商品を選ぶ際にはいつからいつまで受け取れるかを確認しておく必要があります。
※公的介護保険の自己負担1割部分
※公的介護保険の利用限度額を超えるサービス
※公的介護保険の利用対象外のサービス
※自分や家族の収入減少・途絶への補填 など
●一時金で受け取り、その後年金として受け取る(一時金と年金の併用)
「一時金」と「年金」の受取方法は契約時に決めておくことが一般的ですが、受取方法を変更できる場合もあります。
これらの給付内容は、保険契約に定める所定の要介護状態に該当したときに希望に応じて選択できるわけではなく、契約時に定めた給付内容を受け取ることになります。したがって、契約時には、ご自身に合った商品を選ぶ必要があります。自分か要介護状態になった場合、どのような「万が一」が生じるかを考え、ご自身にあった給付内容を選択することが大切です。

保険会社の介護保険が受け取れるとき

保険商品によって給付金を受け取れる要件は異なりますが、主に下記の3つのタイプがあります。
一般的には、給付要件は下記3タイプすべてに該当する場合か、下記②と③に該当する場合であり、保険商品によって異なります。
また、生命保険の介護保険では年齢に関係なく給付条件に該当すると受け取ることができます。 ただし、下記②、③の場合、「所定の介護状態」が、「一定期間継続」した場合に一時金や年金を受け取れます。一定期間については「180日継続」としている保険商品が一般的ですが、認知症の場合には、「90日継続」としている保険商品もあります。

①公的介護保険制度に連動して受け取れるタイプ

公的介護保険制度で、「要介護3以上と認定されたとき」など公的介護保険の要介護認定に連動して受け取れるタイプです。近年こういった保険商品が増えてきています。ただし、保険商品パンフレットなどに「公的介護保険の要介護3以上に相当」などと記載されている場合は公的介護制度の認定に連動しているわけではないので、注意が必要です。また、生命保険会社の介護保険は年齢に関係なく、受け取ることができます。

②日常生活動作において介護が必要になった場合に受け取れるタイプ

例えば、寝返り、または歩行ができない状態で、かつ下記1~4のうち2項目以上に該当して他人の介護を要する状態で受け取れるタイプです。
(保険商品により項目の数や、組み合わせ、要件等が異なります)

  1. 衣服の着脱が自分ではできない
  2. 入浴が自分ではできない
  3. 食物の摂取が自分ではできない
  4. 大小便の排泄後の拭き取り始末が自分ではできない
③認知症と診断され、見当識障害等が見られた場合に受け取れるタイプ

例えば、「器質性認知症(※1)」と医師により診断確定され、意識障害のない状態において「見当識障害(※2)」や複数の「問題行動(※3)」に該当し、かつ、他人の介護を要する場合に受け取れるタイプです。

※1「器質性認知症」とは下記1と2のすべてに該当する状態
  1. 脳に後天的に起こった器質的な病変あるいは損傷を有すること
  2. 正常に成熟した脳が、1による器質的障害により破壊されたために、一度獲得された知能が持続的かつ全般的に低下したものであること

具体的には、アルツハイマー病の認知症、血管性認知症などが「基質性認知症」に該当します。(厚生労働省大臣官房統計情報部編「疾病、傷害および死因統計分類提要ICD-10(2003)」)

※2「見当識障害」とは次のいずれかに該当する状態
  1. 時間の見当識障害
    常時、季節または朝・昼・夜のいずれかの認識ができない。
  2. 場所の見当識障害
    今住んでいる自分の家または今いる場所の認識ができない。
  3. 人物の見当識障害
    日ごろ接している周囲の人の認識ができない。
※3「問題行動」とは以下のどれかが少なくとも1週間に1回以上の頻度で見られる状態
  1. 物を取られたなどと被害的になることがある。
  2. 作り話を周囲に言いふらすことがある。
  3. 実際に無いものが見えたり、聴こえる。
  4. 泣いたり笑ったりして感情が不安定なことがある。
  5. 夜間不眠あるいは昼夜の逆転がある。
  6. 暴言や暴行がある。
  7. しつこく同じ話をしたり、周囲に不快な音をたてることがある。
  8. 周囲に迷惑になるような大声を出すことがある。
  9. 介護者の助言や介護に抵抗することがある。
  10. 目的もなく動き回る事がある。
  11. 「家に帰る」等落ち着きがない事がある。
  12. 外出すると自室や自宅に戻れなくなる事がある。
  13. 一人で外に出たがり目が離せない事がある。
  14. 色々な物を集めたり、無断で持ってくる。
  15. 火の始末や火元の管理が出来ないことがある。
  16. 物や衣類を壊したり、破いたりする事がある。
  17. 不潔な行為(排泄物を弄ぶ等)を行なうことがある。
  18. 食べられないものを口に入れることがある。
  19. ひどい物忘れがある。

指定代理請求人の指定

一般的に介護保険金・年金の受取人は被保険者ですが、被保険者が保険金等を請求する意思表示が困難である場合、通常であれば、成人後見人等を選任するなど煩雑な請求手続きが必要になります。

指定代理請求制度とは、受取人である被保険者が介護保険金等を請求できない特別な事情がある場合に備えて、契約者が被保険者の同意を得て、「指定代理請求特約」を付加し、かつ以下の範囲に該当する人を1人「指定代理請求人」として指定しておく制度です。(保険料は不要)「指定代理請求人」は、被保険者に変わって介護保険金等を請求する事が出来ます。

指定代理請求人の範囲
  • 請求時における被保険者の戸籍上の配偶者
  • 請求時において被保険者と同居し、または被保険者と生計を一にしている被保険者の3親等の親族

生命保険会社の介護保険の契約について

契約方法

契約方法は、「主契約」として、または他の主契約に「特約」として付加する 2つの方法があります。また、介護保障を準備するその他の方法として、死亡保障などから一定の時期に介護保障に移行(変更)する生命保険会社もあります。

●主契約として契約する「介護保険」

「介護保障」を主な内容とする単独の生命保険商品です。契約に定める所定の要介護状態になった時に一時金や年金が受け取れます。要介護状態にならずに契約期間中に死亡した場合には、「死亡給付金(保険金)」が受け取れます。死亡給付金は、介護保障を主な目的としているため、少額のタイプと、介護保障と死亡保障を目的として要介護状態の場合と死亡の場合に受け取れる金額が同額のタイプとがあります。
※所定の要介護状態になって、一時金を受け取ったり年金の受け取りを開始した後で死亡した場合については、死亡給付金が受け取れるタイプと、受け取れないタイプがあります。

●主契約に付加する「介護の特約」

介護保障以外の保障を内容とする生命保険(主契約)に、介護保障を主な内容とする「特約」を付加する方法です。一般的には終身保険や医療保険などに付加できます。受取方法は「一時金」受け取れる場合が多くなっています。

介護の特約は大きく分けて次の2通りのタイプがあります。

1.介護のみを保障するタイプ
介護のみを保障し、死亡保障はない。
2.1つの特約で介護と死亡を保障するタイプ
介護と死亡の場合の保険金額(年金額)が同額になっているものです。支払はいずれか一方になるので、介護で支払われると、死亡では支払われません。所定の高度障害状態になった場合、高度障害保険金が受け取れるのが一般的です。

お一人お一人の「万が一」にあわせて契約

万が一、要介護状態になった場合、どのような経済的必要が生じるのかは、家族構成、現在の生活環境や職業、ライフステージなどによって、人それぞれ違います。また、介護保障以外の、死亡時の遺族の生活保障、老後の生活保障、医療保障など生活をしていくうえで必要な各種の保障の優先順位や組み合わせ方もそれぞれ違います。生命保険会社の介護保険は、給付内容・保障期間・契約の形態・給付要件など多種多様です。ご自身の「安心」にあっているかを、納得できるまでよく確認したうえで、契約することが大事です。

生命保険会社の介護保険や介護の特約の概要

●受けられる給付
  • 一時金、年金、一時金+年金などの3タイプ
●給付の要件
  • 公的介護保険制度で契約に定める要介護認定をうけた時
  • 日常生活動作において介護が必要になったり、認知症と診断され、見当識障害や複数の問題行動が見られる状態が一定期間継続したと、医師が診断確定した時
●契約方法
  • 主契約として「介護保険」を契約する方法と、他の主契約に「介護の特約」を付加する方法があります。また、契約している終身保険等の保障内容を介護保障に移行(変更)する方法がああります。
●保険料の払込方法
  • 払込方法(回数)は、月払・半年払・年払・一時払があります。
  • 払込方法(経路)には、口座振替扱・団体扱・送金扱・クレジットカード扱などがあります。
  • 終身保障の場合、60歳までなど一定期間で払い込みが満了する有期払と、終身にわたって払い込む終身払があります。
●契約できる年齢の範囲
  • おおむね15歳から最高80歳までですが、生命保険会社によって違いがあります。

保険を続けることが難しくなったとき

契約を一旦解約すると、もとに戻すことはできません。解約をせずに、保険契約を続ける方法として、下記があります。

減額
主契約や、特約部分の保障額を減らす方法。減らした部分の保険料が下がります。
特約の解約
特約を解約する方法。必要な保障を再度考えて、それ以外の特約を解約することで保険料が下がります。
払済保険への変更
保険料の払い込みを中止し、保障期間を変えることなく保障額を変更する方法です。原則、特約の保障はなくなります。多くの場合、保障額は下がります。

急にお金が必要になったとき

保険商品によっては、保険会社からお金を借りることもできます。取り扱いについては保険商品によって異なるので確認が必要です。

契約者貸付
解約返戻金がある契約の場合、その7~9割などの範囲内でお金を借りる方法です。
借りたお金には生命保険会社の定める利息がかかるため、注意が必要です。

※公的介護保険制度の詳細は、市町村の公的介護保険制度の窓口までお問合せください。

保障期間と介護年金受取期間

保障期間と、介護年金受取期間には、期間が定まっている「有期」タイプと、一生涯受け取れる「終身」タイプがあります。

1.保障期間

保障期間は「有期」(一定期間、または一定年齢まで)と「終身」(一生涯)の2つのタイプがあります。

●「有期」の場合
10年などの一定期間や、60歳・80歳など一定年齢までがあり、保障期間内に給付要件を満たせば一時金や年金などを受け取ることができます。保障期間満了後の場合、受け取ることができないので注意が必要です。
●「終身」の場合
文字通り、保障期間は一生涯です。給付要件を満たせば、いつでも一時金や年金などを受け取ることができます。保険料の払込期間は一定年齢までのタイプと終身のタイプがあります。

※介護保険に付加できる特約
主契約として契約する場合に、死亡保障や医療保障などの各種特約を付加できる保険商品もあります。
その場合、保険期間が80歳などの一定年齢のものと、終身のものがあります。取り扱いについては保険商品によって異なるので、確認が必要です。

2.介護年金受取期間

年金受取期間にも、「有期」(一定期間、または保険期間満了まで)と「終身」(一生涯)の2つのタイプがあります。

●「有期」の場合
年金の受取期間は10年など一定期間とするタイプと、保険期間満了までとするタイプがあります。
一定期間としているものの多くはいちど給付要件を満たせば、それ以降は給付要件を満たしているか否かを問わず、継続して年金を受け取れるのが一般的です。また、保険期間満了までとしているものについては、保障期間の残りが短くなってから給付要件を満たした場合、受け取れる年数が短くなります。ただし、極端に短くならないよう、一般的には受取年数の最低保証があり、保険会社会社によって5年などと定められています。
●「終身」の場合
給付要件をみたせば、年金の受取がはじまります。一般的には、毎年の請求時に給付要件を満たしている限り、年金が受け取れるものが多くなっています。

3.介護保障の特徴的なタイプ

●保障の範囲が特徴的なタイプ
  • 介護保障と、特定疾病(悪性新生物・急性心筋梗塞・脳卒中)や傷害など保障が一体となっているタイプ
  • 介護保険金や介護年金の給付要件に該当しなくても、より緩和された要件に該当すれば、給付金が受け取れるタイプ
  • 主契約の被保険者の妻や親を介護保障の対象にすることができるタイプ
●給付金額の受け取りに関して特長的なタイプ
  • 給付要件を満たした場合、介護年金を受け取り始めた当初3年間は通常の2倍の年金額を受け取れるタイプや、65歳未満は65歳以上の2倍の年金額を受け取れるタイプ
  • 契約後2年間の給付金が削減されているタイプ
  • 保険料払込満了後から介護保障が開始するタイプ
  • 要介護状態にならなかった場合、一定年齢になると健康祝金が受け取れるタイプ
●その他、特徴的なタイプ
  • 終身保険に所定の特約を付加することにより、65歳以上かつ保険料の払込満了後に給付要件を満たした場合、死亡保険金の全部または一部の前払いを受けとれるタイプ
  • 所定の特約を付加することにより、保険料の払込満了後に介護保障の一部または全部を、介護保障をとりやめて確定年金や終身年金に移行することができるタイプ
  • 保険料を割安にするため、一定期間中の解約返戻金を通常より減らしたタイプ。解約返戻金がないタイプ。

※公的介護保険制度の詳細は、市町村の公的介護保険制度の窓口までお問合せください。

介護が必要になったときに、公的介護保険の手続や生命保険会社の介護保険の請求手続が困難な場合

介護保険の請求などに限らず、生活全般での意思決定について困ったことがおきた場合や、高齢者の介護や日常生活の悩みなどについて、各都道府県の高齢者総合相談センター(名称が異なることがあります)や、「地域包括支援センター」に相談することができます。介護予防などの支援を受けたりすることもできます。

また、認知症や精神障害などで判断能力の低下した人を支える「成年後見制度」があります。さらに、同制度には資産管理などについて、自身の判断力が衰える前に「後見人」を選んで契約する「任意後見制度」もあります。いずれも、弁護士や司法書士などに相談し、公証役場・法務局・家庭裁判所などへの手続きをとります。

※公的介護保険制度の詳細は、市町村の公的介護保険制度の窓口までお問合せください。

生命保険から支払われる介護一時金や介護年金の税金について

被保険者が要介護状態に該当したときに支払われる介護保険金や介護年金は、受取人が被保険者および被保険者の配偶者・直系血族ならびに被保険者と生計を一にする親族の場合、全額非課税です。

被保険者死亡時の死亡保険金(給付金)の税制面での取扱いは、契約形態によって違います。契約者、被保険者、保険金受取人により、受け取った保険金に、相続税・贈与税・所得税・住民税のいずれかが課税対象になります。

  • 契約者・被保険者が同一 → 相続税
  • 契約者と死亡保険金受取人が同一 →  所得税(一時所得)・住民税
  • 契約者・被保険者・死亡保険金受取人がそれぞれ別人 → 贈与税

また健康祝金については、その給付のつど、受取人である契約者(保険料負担者)の一時所得として所得税の対象となりますが、受け取った健康祝金よりも支払った保険料の方が多い場合は税金はかかりません。

※本記載は、平成23年6月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談ください。

生命保険の介護年金額に関して

介護年金金額を決めるに当たって、公的介護保険で受けられるサービスの仕組みと内容をまずは把握することが重要です。その上で、公的介護保険を利用した場合の自己負担額や公的介護保険の範囲外の費用について、初期費用や月々かかる費用などを考えて検討しましょう。

費用に対して備える手段は生命保険の介護保険だけではなく、預貯金や個人年金保険などもあるので、総合的に考えることができます。自分や家族の状況にあったご準備をすることが大切です。

※公的介護保険制度の詳細は、市町村の公的介護保険制度の窓口までお問合せください。

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