姉からの電話 「明日遊びに行っていい?」
トゥルルルル トゥルルルル
真夏の熱帯夜に、
自宅の電話が鳴った。
帰宅したばかりの主人が電話をとる。
「義姉さんから電話だよ。」
私はなんだか嫌な予感がした。
母に何かあったのか。
姉は突然、
「渡したいものがあるから、
明日遊びに行っていい?」
私は、
「いいよ」
とこたえた。
翌日姉が自宅にやってきた。
普段と変わった様子はなかったが、
帰り際になって、
「これあなたに預けておくわ。」
表紙にはきちんとファイルと。
「これ何?」
「私とお母さんの保険をまとめてもらったの。」
「何かあった?」
「ないわよ。」
姉は笑顔で帰っていった。