今日は息子の誕生日。

3本のろうそくを一生懸命吹き消す様子を、
主人とふたりで見つめていた。

夕食の後片付けを終えて、一息ついていると

「これ、作っといた。」

と、少し照れくさそうに夫がオレンジ色のファイルを差し出した。

「きちんとファイル」と書かれている。
中を開けると、自分たちの保険の内容が書いてあった。

受取人がお互いの名前になって、
（この人のお嫁さんになったんだな）と実感したこと。

息子が生まれて、行きたい大学に行けるようにと始めた学資保険。

「老後にはふたりで海外旅行に行きたいね。」と始めた、
積み立ての保険。

こんな風に、これからも思い出と一緒に、
ページが増えていったりするのかしら？

「いつかあいつが大きくなったら、
あいつの分と合わせて渡してやらなきゃな。」

普段は家事ひとつ何もしてくれない夫が、
ちょっとだけ頼もしく思えた。