僕を守るために用意してくれてたんだね

僕を守るために用意してくれてたんだね

僕を守るために用意してくれてたんだね

お母さん、
このあいだの大雨はすごかったね。

心配かけたくないから言わなかったけど、
初めて「避難」という経験をしました。

近くの川の堤防が決壊しそうだからって、
となりのおばさんが声をかけてくれて。

何を持っていったらいいかわからなかったけど、
とりあえず、着がえと健康保険証と財布。
・・・それと目に入った、オレンジ色のファイル。

あれをリュックにつっこんで、避難する人についていきました。

避難場所で手持ち無沙汰だったので、
なんとなくきちんとファイルをあけてみました。

家を出るときにお母さんに渡されたまま、
中を見たことはなかったけれど、
僕の保険のことが書いてあったんだね。

契約日2012年3月って、
・・・ちょうど家を出ることを相談したころだね。

口では反対してたのに、
ひとり家を出る僕を守るために用意してくれてたんだね。

何も言わずにずっと見守ってくれて、
ありがとう。

僕ももっと頑張らなきゃ。

ひとりじゃないって分かって、
前を向く勇気をもらったよ。




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