まだ小さな孫がそんな心配をしてくれていたなんて
娘の家の前にトラックが着いた。
荷台の半分にも満たない私の荷物。
夫が亡くなって3ヶ月。
毎週遊びに来る孫を楽しみにしていた。
「ねえ、そろそろうちに来たら?」
娘はそう言ってくれた。
「でもね。迷惑かけるわけにはいかないから」
「あの子ね、
おじいちゃんみたいになったら嫌だから
毎週連れて行けって言うのよね」
・・・知らなかった。
まだ幼い孫が
そんな心配をしてくれていたなんて。
私が嫁いだ日の荷物は、
嫁入り道具で賑やかだったけど、
不安もいっぱいだった。
今日の荷物は少ないけど、
なんだか穏やかにいられる。
玄関から、「おばあちゃん!」
と駆け寄ってくる孫。
孫の後ろで微笑む娘に
「お世話になります」
夫の遺影と一緒に
きちんとファイルを手渡した。