夢を語る彼女に 知って欲しいと思った

夢を語る彼女に 知って欲しいと思った

夢を語る彼女に 知って欲しいと思った

「式は家族だけで挙げます」
送られてきたメールはシンプルで、彼女らしいと思った。

出会って9年目・・・。
一緒に笑い合って過ごした親友の結婚に、
正直喜びよりさみしさが大きかった。

「私たちは家族にはなれないけど、何かできないかな」
「一生に一度のお祝いがしたい」
とささやかなお祝いの会をひらいた。

新居のこと、仕事のこと、家族のこと。
キラキラした目で話す、私の知らない彼女がいた。

「支えあって、家族みんなで幸せに暮らしたい」
その夢を語る彼女に、私は、知って欲しいと思った。
きちんとファイルのことを。

数年後、彼女が出産した知らせに、病院へ駆けつけた。
「まだまだどっちに似てるか分からないね」
そう笑い合っていると、彼女が私に言った。

「これ見て。ちゃんと手続きしてきたんだよ」
きちんとファイルには、すやすや眠る赤ちゃんの名前が書かれている。

「あのとき、教えてくれてありがとう」
やわらかな表情で笑う、また新しい彼女がそこにいた。




きちんとファイル 無料作成受付中 詳しくはこちら