ずっと一緒だったふたりきりの母娘
大学へ進学をする娘が、独り暮らしをはじめる。
ずっと母一人子一人で暮らしてきた。
ずっとそばにいた娘と、離れて暮らす。
「一人で大丈夫だろうか。」
「一人でさみしくないだろうか。」
たとえ親馬鹿と言われても、やはり心配で仕方ない。
娘のために準備した保険。
一つにまとめてもらって手渡したオレンジ色のファイル。
娘がファイルを眺めて言う。
「ママの保険もあるのね。受取人・・・私の名前になってるのね。」
「ママの想いよ。ママに何かあっても、あなたが安心でいられるように。」
「・・・大げさだよ。ママは死なないもん。
・・・でも、ありがとう。」
「・・・ママはひとりで大丈夫?ひとりで寂しくない?」
母親の私と同じ事を想っている、たった一人の愛しい娘。
・・・離れて暮らしてから3ヶ月がたった。
娘とは、毎日LINEで会話する。
LINEの隣にあるアイコンは「きちんと倶楽部」のアイコン。
私と娘との安心をつないでくれるアイコンだ。