じいちゃん ありがとう
「じいちゃん、怒ってるの?」
と聞きたくなるような、いつも無口で頑固者な祖父。
そんな祖父は、職業が大工。
小学校の自由研究はいつものように
無口で手伝ってくれる。
作品が小学生ではとても作れないような完成度。
・・・先生に怒られた。
しかし私は、誇らしげだった。
そんな祖父の急な病死。
無口だった祖父の保険は誰も知らなかった。
祖父の机から出てきたのは、一つのファイル。
「きちんとファイル」だった。
みんなで顔を合わせて驚いた。
あれから5年。
私にも娘が産まれた。
妻にきちんとファイルを渡した。