家族の想いが ひとり残されたこの子に注がれている

家族の想いが ひとり残されたこの子に注がれている

家族の想いが ひとり残されたこの子に注がれている

「とっても仲が良い4人家族でね・・・。
いつも働き詰めのお父さんの休みが取れて、みんなで家族旅行へ・・・。
その日は朝早く旅先を出て、家族でいっぱい、
たっくさんの思い出を乗せて帰ってくるはずだったんです・・・」

 

おじいさんは、そう教えてくれた。

「実は夜までめいいっぱい遊んで、
家に帰ってくるときに信号待ちをしていたら、
後ろから居眠り運転のダンプカーがつっこんできてね・・・」

「孫のひとりは助かったんだけど、みんな死んじゃったんです・・・。
みんなね・・・みんな・・・死んじゃったんです・・・」

僕も同じ年代の子どもがいる・・・。
一緒に涙した・・・。

 

事故の起こる数週間前のある日、
息子さんが家に帰ってきたときにオレンジ色のファイルを持ってきたそうだ。

「これ、俺の家族の保険だから、一応もっといてよ・・・」

「なんだそれ?大丈夫か?・・・なんかあったのか?」

「いやいや、何もないよ。大丈夫だけど、一応さ・・・」

そんなやり取りがあったことを教えてもらった。

「だから、今日はそのファイルを持ってきたんで、よろしくお願いします。」

 

テーブルの上には、
家族の想いが詰まった、オレンジ色のファイル。
その想いが、ひとり残されたお子さんに注がれている。

「幸せになってね」と・・・




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