父の想いに触れて涙がこぼれた

父の想いに触れて涙がこぼれた

父の想いに触れて涙がこぼれた

あ、また父からメールが来た。
一人暮らしをしだして、もう一年もたつのに、
二日に一度は必ず父からメールが届く。

「生きてるんか?週に一度くらいは連絡しておいで」

(もぉ。忙しいってい言ってるやん)
と思い、返事はせず携帯を閉じる。

ある日、たまの休みに久々に実家に帰った。
帰っても特に何をするわけでもなく、いつも通りな父。
私が帰ってきているのに、外に出かけてしまって話ができなかった。

ふと部屋の隅をみると、オレンジの袋の中にファイルが入っている。
(・・・きちんとファイル?)
母に何か聞いてみた。

「それね。お父さんのよ。あなたが社会人になって安心できるようになったから、
中身を変えたのよ。あなたも大きくなったからね・・・。
内緒にするなら見てもいいわよ」

中を開くと何枚もの紙がはさんであり、その時々に一文が添えられている。

"H30.8 美佳 社会人5年目で少しは安定したようだ。体に気をつけて頑張りなさい。"

"H21.4 美佳 大学合格おめでとう。やりたいことに向かって頑張りなさい。"

次々とメッセージが続く。一番最後のページ

"H2.5 美佳 生まれきてくれてありがとう。何があってもパパが守るからね。"

「それはお父さんが、あなたを守るためにかけてくれた大切な保障なの。
父さんはいつもあなたのことを想っているのよ。
体に気をつけて、たまには連絡してきなさいね。」

父とケンカしたり、家出したり、
大変な時は頼ったりと迷惑ばかりかけてきたけど、
父の想いに触れて涙がこぼれた。
これからは私にできる恩返しをしていきたいと思った。

「お父さん。いつもお仕事頑張ってくれてありがとう。
・・・今度ね、会ってほしい人がいるの」




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