だいじょうぶだよね?死なないよね?お母さん

だいじょうぶだよね?死なないよね?お母さん

だいじょうぶだよね?死なないよね?お母さん

遠い田舎町に、母は一人で住んでいる。
まだ50代。娘の私にメールや電話をよこすほど、仲良くしている。

そんな母が、珍しく昼間にメールを送ってきた。

「今日、入院することになったから。
明日手術なんだけど、つきそいは叔父さんに頼んだから大丈夫よ。」

私は仕事を抜け出し、急いで電話した。

「腹痛で会社を休んでいたの。
病院に行ったら、すぐに手術って言われて。
帰れそうなら帰ってきて。」

不安だけが伝わってきた。
明日、朝一番に帰っても、手術の時間には間に合わない。

とりあえず休むことを上司に伝えたものの、
その後の仕事は手につかなかった。

翌朝の新幹線の中。

「何で前に言ってくれなかったんだろう?」

「手術で何かあったらどうしよう・・・」

不安でいっぱいだった。

「そういえば、入院費用大丈夫なのかな。」

そんな話をしたこともなく、さらに不安になった。

病院のベッドの上、
母は麻酔を打って眠っていた。

看護師に今日は付き添いができないと言われ、
母と話もできないまま、私は明かりのない実家へ帰った。

居間の電気をつけると、
コタツの上に「オレンジ色のファイル」があった。

そこには母の持っている保障が一覧でまとまっていた。

「費用の心配はいらないからね。」

そんなメモがはさんであった。
こんなときにも気遣ってくれる母の想いを感じ、涙があふれた。

数日後、母は無事に退院した。

東京に戻る新幹線の中、母の保障をスマホのマイページで
確認する私がいた。




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