「妻の為 息子の為・・・」

「妻の為 息子の為・・・」

「妻の為 息子の為・・・」

65歳。定年を迎え、
これから悠々自適の生活が始まるという矢先、
父が脳卒中で倒れた。

1/3が即死、1/3が重い障害が残り、1/3が社会復帰できるという。
父の場合は障害が残った。右半身不随。話もできなくなった。

半年間、病院を転々とし家族の生活も一変した。
さらに父が家を空けると、困ったことがいくつも出てきた。

通帳は?印鑑は?キャッシュカードの暗証番号は?
保険って何か入ってたよね?

母は大事なことは全て父に任せっぱなしで、
何もわからない人だった。

でも唯一、覚えていたのは「きちんとファイル」

何かあったら見ろと言われていたらしい。
母はすぐに取り出して、電話をかけた。

まもなく担当者が家まで来てくれて、
加入内容や、父が加入したときの想いまで教えてくれた。

「自分に万が一のことがあったとき、妻の為、息子の為・・・。」

父の想いを初めて知った。

こんなファイルがある事も初めて知った。
父の想いが詰まっていた・・・。

自分もそんな父親でありたい。
そう思った。




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