私の想いと母の想いをつないだもの

私の想いと母の想いをつないだもの

私の想いと母の想いをつないだもの

今日は憂鬱な日だ。
高校3年生の春。親と先生と私。進路相談の日。

友達みたいに気軽に話せる先生なので、
つい先生と同じ英語の先生になりたいと
夢を語ってしまったことがある。

私の小さい頃に両親が離婚し、
母と2人で生活してきた。

仕事をしながら必死に私を育ててくれた母に、
大学に行きたいとは言えなかった。

・・・面談の結果は予想通りになった。

「勉強はあまり好きじゃないので就職します。」
私がそう宣言すると、先生は驚いた。

「なんで?教師になりたくてあんなに勉強頑張ってたじゃない。」

そこからは私と母の口論になり、
続きは家で話すことになった。

しばらく私は自分の部屋に閉じこもり、
その後リビングで夕食を終えて立ち上がろうとすると、

「ちょっと待ちなさい」
と母。

おもむろにオレンジ色のファイルを渡された。

そこには、離婚した直後から私のためにかけてくれていた、
学資保険や母の保険がリストになっていた。

「気を使ってくれてたのね。ありがとう。
でもね、大丈夫なのよ。
あなたは心配しないで、自分の目指す道を進みなさい。」

そう言う母の顔は、昼とは打って変わって、
優しい笑顔だった。

「・・・ありがとう。」

私は涙ぐんだ。
母が私のことを想ってくれていたのはもちろん、
私たち親子がお互いに想い合っていたことが嬉しかった。

そんな母と先生に胸を張れるような、
教師に私はなりたい。




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