小児がんにおける 助成制度ではまかなえない費用 小児がんにおける 助成制度ではまかなえない費用

小児がんにおける医療費などの経済的な負担を軽減するために、国や地方自治体が実施しているさまざまな助成制度についてご紹介してきました。

しかしながら、これらの助成制度を活用した場合でも、すべての費用を補填できるわけではありません。

助成制度ではまかなえない費用として、「先進医療費」「20歳を超えてからの晩期合併症の治療費」などには特に多額の費用がかかります。

このページでは、この2点を中心に「助成制度ではまかなえない費用」について解説いたします。

先進医療の医療費負担

小児がんにおける治療費で大きなものとして、この「先進医療」の医療費があげられます。
先進医療とは、公的医療保険の対象とするかどうかの検討段階にある医療技術のことを指します。

この先進医療の医療費のうち、診察料、検査料、投薬料、入院料などには公的医療保険が適応されます。

しかしながら、先進医療の「技術料」は公的医療保険の対象にはならない為、全額自己負担となってしまいます。

この自己負担費用が高額となり、さらに小児慢性特定疾病医療費助成制度や乳幼児医療費助成制度などの助成制度の対象にもならない為、医療費の負担が大きくなります。

2015年9月現在、この先進医療は107種類となっています。特にその中で小児がん治療にも用いられる治療が「陽子線治療」です。

陽子線治療とは?

陽子線治療は、放射線治療の一種です。
従来の放射線治療と異なり、がんの病巣以外の箇所に照射が及びにくいことから、晩期合併症などの副作用を軽減することができる治療法です。

通常の放射線治療はX線を照射する治療法ですが、X線の場合には体の表面の放射線が強く体の中で徐々に弱くなっていきます。また、病巣を過ぎても後ろに突き抜けて行きます。
この為、病巣以外の細胞にも放射線の影響が出てしまうという問題点があります。

対して陽子線の場合には、体の表面ではなく、ある深さで放射線量がピークになる為、病巣の手前の放射線量はあまり大きくなく、さらに病巣を過ぎたところで止まるように調整できます。
つまり、病巣にピンポイントで照射できるという大きな利点があるのです。

晩期合併症など副作用については、詳しく別のページにまとめましたが、(参照:小児がん治療による後遺症)放射線治療による病巣以外への照射が、のちの後遺症や二次がんの主な原因となります。

この為、助成の対象外となり高額であったとしても、後遺症や二次がんを軽減できる陽子線治療を受ける方が多くいらっしゃるのです。

陽子腺治療の費用と保険

晩期合併症などの後遺症のリスクを軽減できるこの陽子線治療ですが、前述したとおり先進医療に該当する為、その技術料は健康保険の対象外となり、医療費は全額自己負担となります。

その費用は施設によっても異なりますが、250万円~300万円ほどの費用になります。

この経済的な負担を補うには、民間のがん保険への加入が大きな備えとなります。
さらに先進医療特約にも加入しておけば、先進医療を受ける際に上記の金額を補うための給付金が別途支払われます。

20歳を超えてからの晩期合併症の治療費

先進医療と同様に、大きな負担となってくるのが「20歳を超えてからの治療費」です。

前述したとおり、小児がんには晩期合併症という後遺症が残る可能性があります。
また、二次がんというがんの再発のリスクも高くなります。
→詳細:小児がんの後遺症

しかしながら、小児慢性特定疾病医療費助成制度や乳幼児医療費助成制度などの国からの助成制度は、いずれも長くとも20歳未満までの治療費を対象としている為、

20歳以上になってからの晩期合併症の治療費や、がんが再発した場合の治療費などは、助成してもらうことができなくなってしまいます。

一度小児がんなどのがんになった方は民間の保険への加入が難しく、また入ることができた場合にも一般的な条件よりも保険料が高くなる、条件が限定されることが一般的です。

小児がんを発症した方の5人に3人はこの晩期合併症になると言われています。
小児がん治療が終わったあとの医療費についても、備えておく必要があるのです。

その他の費用

ご紹介した先進医療の医療費と、20歳以上を超えてからの晩期合併症の治療費は特に大きな負担になりますが、それ以外にも助成制度などではまかなえない費用があります。
他のページでもご紹介しましたが、念のため再度ご紹介します。

差額ベッド代

病院の都合以外の理由で、1~4人の部屋に入院した場合の室料です。
療養の環境をよりよいものにしたい場合や、お子さんの症状によっては安心して治療に専念する
ために少人数の部屋への入院を選択することがあります。
そうした場合に助成制度ではまかなえない費用として、この差額ベッド代がかかってきます。

遠方の医療機関で治療を受ける為の交通費と宿泊費

専門医や専門医療機関で治療を受けることになった場合、交通費と宿泊費がかかります。
ホスピタル・ホスピタリティ・ハウスなどの利用で宿泊費の負担を軽減することはできますが、それでも交通費などの負担は大きなものになります。

付添生活費

お子さんの治療に付き添うためにお父さんお母さんにかかる費用です。
下のお子さんを保育所に預ける費用が発生する場合もあります。

休職・退職に伴う収入の減少

費用ではありませんが、お母さんやお父さんがお子さんの治療への付き添いのために
休職や退職することにより、収入が減少してしまうことも起こりうることです。

費用ばかり気になってしまいますが、負担が大きくなる要因として、この収入の減少は治療を続ける上で考えておかなければならない大切なことです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

小児がんには、さまざまな助成制度や国からの補助が用意されています。

しかしながら、「先進医療の医療費」や「20歳を超えてからの晩期合併症の治療費」など助成制度ではまかなえないうえに大きな負担になるものがあります。

これらをまかなう為に備えとして役立てられるのが、民間の保険です。

次のページでは「小児がんに備える保険」について解説いたします。

小児がんに備えるための保険

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