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傷害保険の特徴は?医療保険との違いや選び方のポイントを解説

基礎知識

傷害保険は、急な事故やスポーツ中のケガに特化して備えられる保険です。ケガによって入院や通院、手術などが必要になった場合に保険金が支払われ、とくにスポーツやレジャー中のケガに備えたいひとに向いています。

また、公益財団法人スポーツ安全協会が調査した「令和5年度事業報告」によると、傷害保険の一種である「スポーツ安全保険」の加入者数は約757万人となっており、スポーツを楽しむ多くのひとが加入しています。

本記事では、傷害保険の主な種類や補償内容、保険料などについて詳しく解説します。傷害保険を選ぶ際のポイントについても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

出典:公益財団法人スポーツ安全協会「令和5年度事業報告

傷害保険とは?

傷害保険とは?

傷害保険はその名のとおり、傷害に対してのみ保険金が支払われる補償で、がんなどの病気は対象外になります。

傷害保険の対象になるケガ

傷害保険が補償するケガは大きく分けて、

  • 急激
  • 偶然
  • 外来

の3つの条件を満たしたものに限定されます。

「急激」とは、突発的な事故のことで、ケガの発生から結果に至るまで、時間的なずれがない出来事を指します。

「偶然」とは、事前に予測できず、意図的ではない事故のことです。主に、自らの意思に反して発生した事故が該当します。

「外来」とは、ケガの原因が身体の外部に作用する事故のことです。具体的には、交通事故やスポーツ中の事故、階段からの転落などが、このケースに当てはまります。

傷害保険の対象になるケガの例

傷害保険の対象になるケガの例

傷害保険と医療保険との違い

傷害保険と医療保険は、どちらもケガや病気など不慮の事態に備えるものですが、主に補償対象の範囲が異なります。

  傷害保険 医療保険
主な加入目的 突発的な事故やスポーツ中のケガに対する補償 病気やケガに対する広い保障
補償対象 ケガ 病気・ケガ
加入条件 一部制限あり 健康状態によって制限あり
保険料 年齢や性別による差が少ない 年齢や性別によって異なる
健康状態の告知 原則として不要 あり

医療保険は、病気やケガによる入院や手術に対する保障です。加入する際には健康状態の告知が必要で、保険料は性別や年齢によって異なります。

一方、傷害保険はスポーツ中のケガや突発的な事故によるケガなど、外部からの偶然の事故等に対する補償です。

傷害保険は、加入時の健康状態に関する制限は医療保険ほど厳しくなく、持病や既往症があるひとでも加入できる可能性が高いため、医療保険の加入が難しい方にとっては心強い選択肢となります

また、傷害保険は年齢や性別による保険料の差がそれほど大きくないのも特徴です。ケガのリスクが高まる高齢者にとっても、安心して備えられる補償です。

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傷害保険の主な種類

傷害保険の主な種類

傷害保険とひとことで言っても、補償の対象や目的によってさまざまな種類が用意されています。自身に適した保険を選ぶには、それぞれの特徴を把握して比較検討することが大切です。

ここからは、代表的な傷害保険の種類について詳しく解説します。

普通傷害保険

普通傷害保険の特徴は、日常生活で発生する突発的なケガや事故を幅広く補償してくれる点です。仕事中や通勤中、レジャーの際など、条件を問わず急激かつ偶然な事故によるケガが補償対象となります

例えば、家で転んでケガをしたり、スノーボードをしていて骨折した場合などが該当します。

保険料は、年齢や性別に関係なく職業によって決まるため、持病があるひとでも健康状態を気にせず加入しやすいのが特徴です。

さまざまなケガに対して幅広く備えたいひとに、とくに適した保険といえます。

家族傷害保険

契約者だけでなく、家族全員のケガをまとめて補償できるのが、家族傷害保険の特徴です。契約者や配偶者、同居の親族、別居の未婚の子どもなど、幅広い関係者を補償対象として扱えます

家族傷害保険の補償対象者

家族傷害保険の補償対象者

例えば、子どもが学校でケガをしたり、高齢の家族が自宅で転倒したりした場合など、家族の誰かが該当する事案に備えられます。

家族が個別に傷害保険に加入するよりも、保険料を安く抑えられるため、お得に家族全員のケガに備えたいひとは検討するのがよいでしょう。

海外旅行傷害保険

海外旅行傷害保険は、海外旅行中のケガや病気、盗難などのトラブルに対して、補償が得られる保険です。海外で病気になった際の治療費は高額になる場合が多いため、保険に加入しておくことで、支払いが困難になる事態を避けられます

保険会社によっては、手荷物が盗まれたり、フライトの遅延で損害が発生したりした場合に備える補償も用意されています。

仕事やプライベートでよく海外を訪れるひとは、滞在日程に合わせて加入しておきましょう。

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国内旅行傷害保険

国内旅行中に発生したケガや、事故による損害を補償する国内旅行傷害保険も、傷害保険には用意されています。国内旅行で発生した事故によるケガで、入院や手術、通院が必要になった場合に、補償を受けることが可能です。

一部の保険では、国内旅行中の偶然な事故により、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりして法律上の損害賠償責任を負った場合や、自分の携行品に損害が生じた場合に、補償してくれるものもあります。

海外旅行傷害保険と同様に、旅行中の万が一の事故に備えたいひとは、この保険に加入しておくことでより一層の安心を得られます。

交通事故傷害保険

交通事故傷害保険は、自転車やバイク、自動車など、交通事故に限定して補償が受けられる傷害保険です。補償の対象になるのは、車両運転中の事故はもちろん、歩行中に自動車にはねられた場合など、幅広い交通関連のケガが含まれます

交通事故は、大きなケガや死亡事故につながるケースも少なくないため、死亡や後遺障害に対する補償が手厚くされている場合が多くあります。

保険料も比較的安価な傾向にあるので、自動車保険ではカバーしきれない部分を補完する目的で、加入を検討するのがよいでしょう。

傷害保険の主な補償内容

傷害保険は、ケガをした際の治療費や入院費だけでなく、万が一の死亡、後遺障害など、さまざまな補償を受けられる保険です。日常生活や仕事中など、予期せず起きた事故によって負ったケガに対して幅広くカバーしてくれます。

ここからは、傷害保険の主な補償内容について、詳しく解説します。

通院補償

通院補償は、傷害保険で得られる重要な補償の一つです。日常生活で予期せず起こったケガで、病院や診療所に通院した場合に保険金が支払われます。

打撲や捻挫など、入院が必要ない軽度なケガでも、通院日数に応じて保険金を受け取れます

通院補償があれば、毎回の診察料や薬代などの自己負担費用を軽減できるため、安心して治療に専念することが可能です。

入院補償

不慮の事故によってケガを負い、治療のために入院した場合に保険金が支払われるのが、入院補償です。入院補償があることで、医療費の自己負担分や生活費、家族の付き添い費など、さまざまな出費をカバーできます。

一般的に支払われる保険金は、傷害入院保険金日額に入院日数をかけて計算され、入院期間が長くなるほど多くの保険金を受給できます

ただし、保険会社によって入院補償の日数が定められているため、事前に確認することが大切です。

手術補償

手術補償は、不慮の事故によるケガが原因で手術を受けた場合に、保険金が支払われるのが特徴です。手術の対象になるケガの種類や支払い金額は、保険商品によって異なり、入院を伴わない場合も補償されます。

手術補償では、契約時に設定した入院保険金日額に手術の種類や内容に応じて定められた所定の倍率をかけて、保険金が算出されます

家族傷害保険の補償対象者

手術が必要なケガは高額な費用が必要になるケースも少なくないため、大きなケガに備えたいひとに適した補償です。

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死亡補償

不慮の事故で被保険者が死亡した場合に、死亡保険金を受け取れるのが死亡補償です。死亡補償に加入することで、葬儀費用や残された家族の生活費や子供の学費、養育費など、さまざまな費用に備えられます。

とくに、保険金額の設定は、家計を担う世帯主が亡くなった場合に、残された家族の生活に多大な影響が及ぶ可能性があるので重要です。

また、傷害保険の死亡補償は病気で亡くなった場合には対象外になるため、その他の生命保険の死亡保険も合わせて考えておくことも大切です。

後遺障害補償

ケガを負った後に、治療をしても身体に障害が残ってしまった場合は、後遺障害補償によって保険金が支払われます。後遺障害の程度は後遺障害等級表に基づき、1級から14級までの等級によって、保険金額の一部または全額が支払われるのが一般的です。

参考:国土交通省「後遺障害等級表

後遺障害が残ると、日常生活に大きな支障をきたす可能性があり、長期にわたって生活費や介護費を負担しなければいけない場合もあります。

後遺障害補償があれば、長期にわたる生活不安を軽減でき、自身や家族の生活を守るための備えになります。

傷害保険の保険料

傷害保険の保険料

多くの傷害保険の保険料は主に、

  • 加入するプランの内容
  • 職業

によって決定されます。

加入するプランの内容は、契約者が入院補償や後遺障害補償、通院補償などや、特約の有無などを選択可能です。保険料は、保険金額を高く設定してカバーされる範囲が広いほど、高くなります。

次に、就いている職業によっても、保険料が異なります。事故が起こるリスクが高い職業ほど金額が高く設定されており、多くの保険料を受給可能です。

具体的には、事務職や公務員、営業職などの比較的危険が少ない「A級」と、建設作業者や林業従事者などの危険度が高い「B級」に分類されます

傷害保険の保険料は、医療保険や生命保険とは異なり年齢や性別は関係しないため、どんなひとでも加入しやすいのが特徴です。

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傷害保険があると安心できるひとは?

傷害保険があると安心できるひとは?

傷害保険は、とくにスポーツやレジャー中のケガに備えたいひとに向いています。

ここからは、傷害保険が向いているひとについて詳しく解説します。

スポーツやアウトドアが趣味のひと

スポーツやアウトドア活動は、男性を中心に多くのひとが趣味にしている一方で、ケガのリスクも高い活動です。これらの活動で負ったケガは、通院が必要になることが多く、場合によっては入院や手術に至ることもあります

とくに、サッカーなどのコンタクトスポーツや、登山などのレジャーでは、骨折、打撲などのケガが起こりやすくなります。

傷害保険に加入していれば、軽微なケガでも補償が受けられるため、スポーツやアウトドアを頻繁に行うひとは、加入を検討してもよいでしょう。

ケガのリスクが高まる高齢者

どんなひとでも、年齢を重ねるにつれて身体機能が低下し、些細な転倒や事故でもケガにつながるリスクが高まります。また、一度ケガをすると完治するまでにも時間がかかり、長期の入院やリハビリが必要となるケースも増えます

骨粗しょう症などを患っている場合は、少しつまずいただけで骨折することも珍しくありません。

自身の生活費だけではなく、生活を支えてくれる家族のためにも、高齢者の傷害保険加入は重要度が高いといえます。

危険を伴う職業に就いているひと

日常的に事故やケガのリスクが高い職業に従事しているひとも、傷害保険は欠かせない備えです。仕事中にケガをして長期の入院や手術が必要になれば、治療費に加えて休業中の収入減も大きな経済的負担になります

建設作業員や運送業、林業など、重い資材の運搬、高所からの転落などの可能性があるひとは、重要度がより高まります。

自身の身を守るとともに、将来的に大幅な収入減にならないためにも、傷害保険に加入しておくと安心です。

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持病や既往症があるひと

持病や既往症があるひとは、医療保険の加入が難しい場合があるため、傷害保険を検討するのも効果的です。傷害保険は、加入時の健康状態に関する制限が医療保険ほど厳しくなく、持病や既往症がある方でも加入しやすい特徴があります

また、傷害保険は年齢や性別による保険料の差がそれほど大きくないので、高齢者にとっても安心です。

傷害保険の選び方のポイント

傷害保険の選び方のポイント

傷害保険の選び方のポイントを事前に押さえておくことで、自分に合った保険選びができ、将来のリスクに備えられます。

ここからは、傷害保険の選び方のポイントについて詳しく解説します。

補償の対象で選ぶ

傷害保険を検討する際は、補償の対象となるケガや事故について、事前に確認しておくことが大切です。

例えば、日常生活のケガを幅広くカバーしてくれる「普通傷害保険」、交通事故によるケガのみを対象とする「交通傷害保険」など、補償の対象の範囲によってさまざまな種類があります

家族構成、スポーツ関連の趣味、仕事内容、車やバイクの運転頻度など、自身の生活スタイルに照らして、必要な補償が対象となっているか確認しましょう。

補償金額を選ぶ

傷害保険を検討する際は、ケガをした際の入院、通院、手術などでそれぞれどのくらいの金額が補償されるのか、確認することも大切です。補償内容を手厚くすると補償される金額は大きくなりますが、その分保険料は高額になります。

軽微なケガが多く考えられるひとは補償金額を低く抑え、大きなケガのリスクが高い職業のひとは、補償金額を十分に確保しておくのが効果的です。

保険によっては、特定の部位のケガに特化して一時金が支払われるものもあるので、自身の状況や将来の不安を考慮して選びましょう。

付帯できる特約で選ぶ

傷害保険の基本補償のほかに特約を付帯することで、補償範囲をさらに広げることが可能です。特約をプラスすることで、将来的なリスクに合わせて、より手厚い備えができます。

代表的なものに、日常生活で他人にケガを負わせたり物を壊してしまった場合に補償を受けられる「個人賠償責任補償特約」や、旅先や外出先で身の回りの品に損害を与えた場合の修理費用を補償してくれる「携行品損害補償特約」などがあります。

基本補償だけでは内容に不安があるひとは、現在の生活や将来的なリスクを明確にし、必要な特約を追加していくのがよいでしょう。

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更新方法で選ぶ

傷害保険を選ぶ際に、自身に合った更新方法で選ぶのも効果的な方法です。更新方法には、大きく分けて「自動継続型」と「都度更新型」があります。

自動継続型は、満期ごとの手続きが不要で保険料が自動引き落としされるため、うっかり更新を忘れて無保険になるリスクを防げます。とくに、傷害保険は1年更新のタイプが多いため、多忙なひとや手続きを煩わしく感じるひとには便利な方法です。

一方、都度更新型は、毎年契約内容や保険料を見直す必要があり、ライフステージの変化に合わせて補償内容を柔軟に変更したいひとに向いています。

契約内容の確認を毎年行うか、見直しの手間を省くか、自身のライフスタイルや性格に合わせて選びましょう。

まとめ

まとめ

傷害保険は、交通事故やスポーツ中のケガ、日常生活の不慮の事故など、「急激」「偶然」「外来」の3つの条件を満たすケガに特化している保険です。医療保険が病気やケガ全般を幅広くカバーできるのに対し、傷害保険はケガに特化しており、年齢や性別による保険料の差が少ない特徴があります。

傷害保険には、保険会社によってさまざまな種類が用意されており、日常生活を広くカバーできる普通傷害保険をはじめ、家族全員を補償できる家族傷害保険や交通事故に特化した交通事故傷害保険などがあります。

また、補償内容は入院や通院、手術など多岐にわたり、加入者が必要なものを組み合わせることで最適なプランを作成できます。

とくにスポーツが趣味のひとやケガのリスクが高い職業に就いているひとは、万が一のリスクに備えて加入を検討しましょう。

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