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ファミリーバイク特約とは?バイク保険との違いや主な補償内容を解説

ファミリーバイク特約は、自動車保険に付帯できる、125cc以下の原付バイク(原付一種・原付二種)が対象の特約です。この特約に加入することで、万が一原付バイクで事故を起こしてしまった際に、相手への賠償責任をカバーしてくれます。
一般的なバイク保険に比べて保険料が比較的安価で、契約者本人だけでなく、配偶者や同居の親族、別居の未婚の子どもまで、幅広い家族を補償対象にすることが可能です。複数台の原付バイクを所有している家庭でも、この特約一つでまとめて補償できるのは大きなメリットといえます。
本記事では、ファミリーバイク特約の対象範囲や補償内容、加入するメリットなどについて詳しく解説します。実際の加入方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ファミリーバイク特約とは?

ファミリーバイク特約とは、自動車保険に特約として追加できる補償です。排気量が125cc以下の原付バイクで事故を起こしてしまった際に、相手への賠償責任を補償してくれます。
例えば、事故で相手にケガを負わせてしまったり、物を壊してしまったりした場合に、対人賠償や対物賠償として責任をカバーしてくれます。
ファミリーバイク特約の補償範囲は、自動車保険の契約者本人だけでなく、配偶者や同居している親族、別居している未婚の子どもなど、幅広い家族構成に対応可能です。
また、家族の誰かが原付バイクに乗る機会があれば、一台分の特約で家族分の補償をカバーすることが可能です。
ファミリーバイク特約とバイク保険の違い

ファミリーバイク特約と単独で加入するバイク保険は、どちらもバイクの事故を補償してくれるものですが、仕組みや補償範囲には大きな違いがあります。
それぞれの違いを、以下の表にまとめました。
| ファミリーバイク特約 | バイク保険(任意保険) | |
|---|---|---|
| 加入方法 | 自動車保険の特約として付帯 | バイク単独で契約する |
| 加入条件 | 自動車保険の契約が必須 | バイクを所有していれば、単独で加入可能 |
| 対象の車両 | 125cc以下 の原付バイク(原付一種・原付二種) | 125cc超 のバイク(軽二輪、小型二輪、大型二輪)、125cc以下のバイク |
| 補償される範囲 | 主に対人・対物の賠償責任が基本。 人身傷害・自損事故の有無は保険会社や選択タイプによる。 | 対人・対物賠償が基本だが、車両保険、人身傷害保険、搭乗者傷害保険、ロードサービスなど多様な補償を付帯できる。 |
| 保険料 | 比較的安価 | 比較的割高 |
| 車両保険の有無 | 基本的に付帯できない | 付帯できる |
| ロードサービスの有無 | 基本的に付帯できない | 付帯できる |
| 等級の影響 | 影響しない(特約使用で自動車保険の等級は下がらない) | 影響する(保険金請求で等級が下がり、保険料が上がる可能性がある) |
| 複数台の補償 | 1つの特約で、複数台のバイクを補償できる | バイク1台ごとに個別に契約が必要 |
ファミリーバイク特約は、自動車保険に付帯するオプションで、主に125cc以下の原付バイクの事故を補償してくれます。とくに大きなメリットは、自動車保険の等級に影響せず、保険料を抑えやすい点です。また、契約者だけでなく家族も補償対象となり、複数台の原付をカバーできる場合が多くあります。
デメリットとしては、車両保険は付帯できず、ロードサービスも基本的には利用できない点が挙げられます。
一方、バイク保険(任意保険)は、バイク単独で加入する独立した保険です。125cc超のバイクに乗る場合は必須となり、125cc以下のバイクでも加入できます。対人・対物賠償に加え、車両保険やロードサービスなど、より手厚く多様な補償を選べるのがメリットです。
ただし、保険料は高くなる傾向があり、事故を起こして等級が下がることで、翌年度の保険料が上がる可能性もあります。
ファミリーバイク特約の対象

ファミリーバイク特約の利用を始める際に、自身のバイクが補償されないなどの事態を避けるためにも、対象範囲を正確に把握しておくことが大切です。
ここからは、ファミリーバイク特約が適用される具体的な条件について、詳しく解説していきます。
補償の対象者
ファミリーバイク特約は、運転者に対する補償範囲が広い点が大きなメリットです。主契約である自動車保険の契約者本人はもちろんのこと、配偶者や同居している親族なども補償の対象となります。
ファミリーバイク特約の補償対象となる運転者は、一般的に以下の通りです。
- 記名被保険者
- 配偶者
- 同居の親族
- 記名被保険者本人または配偶者の別居の未婚の子ども
補償内容になる範囲が広いことで、家族それぞれが個別にバイク保険に加入する手間や費用を省くことができます。
例えば、大学生になって一人暮らしを始めた子どもが原付バイクに乗る場合でも、親の自動車保険に付帯したファミリーバイク特約で補償を受けられる可能性があります。
ただし、友人が原付バイクを運転した場合や、別居している既婚の子どもが運転した場合などは対象外となるため、誰が運転する可能性があるのか事前に確認しておくことが重要です。
補償の対象となるバイク
ファミリーバイク特約で補償の対象となるバイクは、125cc以下のものに限定されます。
- 原付一種: 50cc以下のバイク
- 原付二種: 50cc超125cc以下のバイク
軽二輪(125cc超250cc以下)や小型二輪(250cc超)などのバイクはファミリーバイク特約の対象外となり、単体のバイク保険に加入する必要があります。
また、自身が所有するバイクだけでなく、家族が一時的に借りて運転している125cc以下の原付バイクも補償対象となる場合がありますが、詳細は保険会社によって異なります。
ファミリーバイク特約の補償内容
一般的に、ファミリーバイク特約は大きく分けて以下の2種類の補償内容から選択します。
- 自損傷害型:運転者自身の過失による単独事故で、運転者や同乗者が死傷した場合のケガを補償
- 人身傷害型:事故の過失割合に関わらず、運転者や同乗者が死傷した場合の治療費や休業損害などを、保険金額を上限に実損害額で補償
自損傷害型と人身傷害型の違いを以下の表にまとめました。
| 相手方への補償 | 自身や同乗者への補償 | |||
|---|---|---|---|---|
| 対人賠償(相手のケガ・死亡) | 対物賠償(相手の物損害) | 運転者自身の過失による単独事故でのケガ | 相手がいる事故での自身のケガ | |
| 自損傷害型 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
| 人身傷害型 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
自損傷害型は、主に電柱への衝突など単独事故 相手に過失がない事故(自分の過失が100%)や同乗者が死傷した場合に補償されます。保険金は、あらかじめ定められた定額で支払われるため、保険料は比較的安価です。
ただし、自損傷害特約は、基本的に「相手のいない単独事故」または「運転者自身の過失が100%の事故」 に特化した補償なので、相手がいる事故での自身のケガの場合は十分な補償が得られない可能性があります。
一方、人身傷害型は、事故の過失割合に関わらず、自身や同乗者が死傷した場合の治療費や休業損害などを実損害額で補償してくれます。単独事故はもちろん、相手がいる事故でも、相手からの賠償を待たずに迅速に保険金が支払われるのが大きな特徴です。
また、精神的損害なども含まれ、より手厚い補償が得られますが、その分保険料は高くなります。
ファミリーバイク特約のメリット

ファミリーバイク特約は、単体のバイク保険とは異なり、保険料を抑えられたり複数台のバイクを補償対象にできたりするなど多くのメリットがあります。
ここからは、ファミリーバイク特約のメリットについて詳しく解説します。
バイク保険より保険料を抑えやすい
ファミリーバイク特約に加入することで、単体のバイク保険よりも保険料を大幅に抑えられる可能性が高くなります。ファミリーバイク特約は独立した保険ではなく、すでに契約している自動車保険の特約として付帯されるため、保険料を安く抑えられやすいのです。
とくに、日常的に原付に乗る機会が多くないひとや、主に通勤・通学で利用するひとは、単独のバイク保険では費用負担が大きく感じられることがあります。
保険料を抑えつつ、万が一の事故に備えたいと考えるひとにとっては、大きなメリットといえるでしょう。
複数台のバイクを補償対象にできる
ファミリーバイク特約のメリットの一つに、契約の自動車保険に付帯するだけで、複数台の原付バイクをまとめて補償対象にできる点が挙げられます。一般のバイク保険では、一台ごとに保険契約を結ぶ必要がありますが、ファミリーバイク特約なら配偶者、同居の親族、別居の未婚の子どもが所有するバイクも、一台の特約で全てカバーできます。
例えば、夫婦で一台ずつ原付バイクに乗っている場合や、子どもが通学で使用している場合などは、個別に保険を契約する手間や費用を削減可能です。
原付バイクを複数台所有している家庭は、一台ずつ保険に入るよりもファミリーバイク特約を利用したほうが、経済的にも合理的といえます。
自動車保険の年齢制限の影響がない
ファミリーバイク特約は、契約中の自動車保険の年齢条件に左右されずに利用できます。通常の自動車保険では、運転者の年齢によって保険料が変わる「運転者年齢条件」が設定されており、とくに若い年齢の運転者は保険料が割高になったり、補償の対象外になったりすることがあります。
ファミリーバイク特約なら、20歳未満の子どもが原付バイクで事故を起こした場合でも、多くの場合で補償を受けることが可能です。
この制度により、年齢が若い家族が運転する場合でも個別に保険に加入する必要がなく、安心して原付バイクを利用できます。
等級制度に影響がない
ファミリーバイク特約を利用して保険を利用したとしても、契約の自動車保険の等級には一切影響がありません。通常の自動車保険では、保険を使用すると等級が下がり、翌年度の保険料が上がる原因になります。
ファミリーバイク特約は、自動車保険の「ノーカウント事故」として扱われるため、等級制度の心配が不要です。
万が一原付バイクで事故を起こしたとしても、自動車保険の等級はそのまま維持されるため、日常的にバイクを利用するひとにとって経済的な安心感につながります。
ファミリーバイク特約のデメリット

ファミリーバイク特約は、自動車保険に付帯していることで原付バイクの補償を手軽に得られる一方で、いくつかデメリットも理解しておくことが重要です。
ここからは、ファミリーバイク特約のデメリットについて詳しく解説します。
自動車保険に加入していないと利用できない
ファミリーバイク特約は、自動車保険に付帯する特約であるため、自身が自動車保険の契約者でなければ利用できません。現在、車を所有しておらず、自動車保険に加入していないひとが原付バイクの保険を検討する場合は、家族の自動車保険を活用する必要があります。
他の方法を検討する場合は、単独で加入できる原付バイク保険や自賠責保険に別途加入する必要があり、ファミリーバイク特約のような手軽さや経済的メリットは受けられません。
家族で車を持たず、原付バイクのみを利用している家庭は、事前に注意すべきデメリットといえるでしょう。
ロードサービスが利用できない
ファミリーバイク特約では、ロードサービスが利用できないため、細かなサービスには制限があります。一般的なバイク保険や自動車保険は、事故や故障時に現場へ駆けつけ、レッカー移動や応急処置などを行うロードサービスが付帯していることがほとんどです。
ファミリーバイク特約は、原付バイク固有のロードサービスは付帯しておらず、走行中に故障したり事故で自力走行が不可能になったりした場合は、自身で対応する必要があります。
対応策としては、別途JAFなどのロードサービスに加入するか、実費で補償額を負担することになるため、サポートを重視するひとにとっては大きなデメリットになるでしょう。
125cc以上のバイクは補償の対象外になる
ファミリーバイク特約のデメリットとして、補償の対象が125cc以下の原付バイクに限定される点も挙げられます。この条件に当てはまらないバイクは、 別途それぞれの排気量に応じた任意保険に加入する必要があり、費用の負担額が大きくなる可能性があります。
多くの保険会社では、原付バイクの定義を「総排気量50cc超125cc以下の二輪車」または「総排気量50cc以下の二輪車」としており、これを超える排気量のバイクは軽二輪や自動二輪車としての扱いになるのです。
ファミリーバイク特約の手軽さや保険料の安さに魅力を感じても、排気量を確認せずに契約すると、万が一の際に補償が受けられない可能性があるため注意が必要です。
ファミリーバイク特約の料金相場

ファミリーバイク特約の保険料は、契約している自動車保険の保険料に年額で数千円から数万円程度を追加する形式が一般的です。具体的な金額は、契約している自動車保険の保険会社や契約内容、対人・対物賠償の補償額などによって変動します。
また、一般的に原付バイク一台ごとに個別のバイク保険に加入するよりも、圧倒的に安価になるケースがほとんどです。とくに、複数台の原付バイクを所有している家庭は、一台ずつ保険料を支払うよりも大幅なコスト削減が見込めるでしょう。
ファミリーバイク特約の加入方法

ファミリーバイク特約を利用する際に、新たに原付バイクを購入した場合や、すでに原付バイクを所有している場合は、まず自身の自動車保険の保険会社に連絡しましょう。
多くの場合、電話一本で手続きが可能で、保険会社の担当者から特約の概要や保険料について説明を受けたら、そのまま加入手続きを進められます。
インターネットの場合は、原付バイクの車種やナンバープレート情報などをWebサイト上のマイページから追加して加入手続きを進めます。
また、万が一の事故に備えるためにも、原付バイクの購入や使用開始と同時に加入手続きを行い、無補償期間ができないようにしましょう。
まとめ
ファミリーバイク特約は、現在加入している自動車保険に付帯できるオプションで、排気量125cc以下の原付バイク(原付一種・原付二種)での事故を補償してくれます。対人賠償保険や対物賠償保険に加えて、自損事故保険、無保険車傷害保険をカバーしてくれるのが大きな特徴です。
ファミリーバイク特約の大きなメリットとして、保険料が比較的安価で、契約者本人だけでなく、配偶者や同居の親族、別居の未婚の子どもまで、幅広い家族が補償の対象となる点が挙げられます。 また、家族で複数台の原付を所有している場合でも、一台分の特約でまとめて補償を受けられるのも特徴です。
一方、自動車保険に加入していない場合や125cc以下の原付バイクは利用できず、ロードサービスも利用できないことが多いため、条件に当てはまらないひとは別途バイク保険への加入を検討しましょう。
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